〈私〉はどこにいるか?

私たちは宇宙にいる――それこそがほんとうの「リアル」のはずである。この世界には意味も秩序も希望もあるのだ。

書評『逝きし世の面影』(渡辺京二著)14 (了)

2017-08-16 | 書評『逝きし世の面影』(渡辺京二著)
 それを考える上で踏まえるべきは、純粋・客観的な「正しい」歴史などとというものはそもそも存在しないという事実だと思われる。「歴史観」という用語が示すとおり、言葉で現実を認識する私たち人間は、真実性や包括度の相対的な差はあるにせよ、必ずある特定の視点と文脈から、つまりは物語としてしか歴史を見ることができない。最近まで真実だと信じられてきた江戸時代暗黒史観とは、往時に支配的だった政治思想から歴史を読み . . . 本文を読む