書評『文明としての江戸システム』(鬼頭宏著) 1 2017-08-17 | 書評『文明としての江戸システム』(鬼頭宏著) (以下、サングラハ教育・心理研究所会報『サングラハ』148~150号より転載) はじめに 本書は経済史・歴史人口学を専門とする歴史学者の、江戸時代の経済社会的な達成を主題に学術的な研究成果を俯瞰した緻密な著作であり、戦後長く主流を占めた史観から自由になった歴史学の到達水準を示しているものと思われる(初版刊行は二〇〇二年)。ここには初期的な近代化というべき市場経済化と経済発展を通じて、農業社会 . . . 本文を読む