私の勤務する愛媛県歴史文化博物館で、5月20日に「よみがえる正倉院宝物-再現された天平の技-」展が開幕した。この展示は、日本文化の源流として古代の技術を今に伝える正倉院宝物の復元模造品約70点を中心とするもの。展示資料は戦前に帝室技芸員、戦後は人間国宝作家らが制作した物で、いずれも正倉院宝物の制作当初の姿を模している(現在は、宮内庁正倉院事務所と奈良国立博物館に保管されている)。
天平時代の雰囲気を味わうことができるので、一見の価値あり!
伊予国関係の資料としては、「伊豫国調白あしぎぬ」(「あしぎぬ」の漢字がATOKの文字パレットで探しても見つからない・・・。いとへんに「施」の旁の字です。)が展示されている。正倉院に伝わる調あしぎぬのうちで、国名が判明しているのは、常陸、武蔵、丹後、伯耆、伊予、土佐の6か国であるが、各国それぞれにあしぎぬの織密度や経糸、横糸の太さが違っている。規格化されていたわけではないようだ。天平18(746)年に献納されたもので、「伊予国越智郡石井郷戸主葛木部龍調あしぎぬ六丈」の墨書があり、上下に国印が押されている。(手許にあった『愛媛県編年史』を確認すると、「上方に国印、下方に郡印が押されている」とあるが、どういったことだろう。単なる『編年史』の記載ミスだろうか? 気になるなあ・・・。)
それにしても、「あしぎぬ」は平織りの絹で、「悪し絹」から派生した語と言うが、実物を見るととても悪い(粗い)絹だとは思えない。古代の技術の高さを実感することができます。
この展示は、6月18日(日)までです。
2000年05月21日
天平時代の雰囲気を味わうことができるので、一見の価値あり!
伊予国関係の資料としては、「伊豫国調白あしぎぬ」(「あしぎぬ」の漢字がATOKの文字パレットで探しても見つからない・・・。いとへんに「施」の旁の字です。)が展示されている。正倉院に伝わる調あしぎぬのうちで、国名が判明しているのは、常陸、武蔵、丹後、伯耆、伊予、土佐の6か国であるが、各国それぞれにあしぎぬの織密度や経糸、横糸の太さが違っている。規格化されていたわけではないようだ。天平18(746)年に献納されたもので、「伊予国越智郡石井郷戸主葛木部龍調あしぎぬ六丈」の墨書があり、上下に国印が押されている。(手許にあった『愛媛県編年史』を確認すると、「上方に国印、下方に郡印が押されている」とあるが、どういったことだろう。単なる『編年史』の記載ミスだろうか? 気になるなあ・・・。)
それにしても、「あしぎぬ」は平織りの絹で、「悪し絹」から派生した語と言うが、実物を見るととても悪い(粗い)絹だとは思えない。古代の技術の高さを実感することができます。
この展示は、6月18日(日)までです。
2000年05月21日