性的暴言の特養ホーム、施設長を解任 処分を見直し
東京都東大和市の特別養護老人ホーム「さくら苑(えん)」(入居定員80人)で1月、男性職員2人が認知症の女性入居者に性的な虐待発言をしてい た問題で、同苑を運営する社会福祉法人多摩大和園は9日、理事会を開き、関係者の処分を決めた。管理責任がある施設長の玉川桜子苑長を同日付で解任、2人 の職員は介護の現場に戻さず、原因が究明されるまで自宅謹慎させることにした。
虐待発覚後の5日、同苑はいったん職員を出勤停止5日~7日間、苑長を減給10%(1カ月)とする処分を公表していた。しかし家族は「処分が甘い」と強く反発、同苑に9日までに約560件の苦情電話があり、処分を事実上見直した。
足利正哲常務理事は「職員の指導が十分でなかった。家族の思いを胸に新たな施設づくりに取り組む」と改めて謝罪した。今後は、この問題について第三者のみによる人権侵害調査委員会を設置し、ほかに問題がなかったかを調べるとともに、原因を究明することにした。
別の職員も侮辱発言 東京・東大和の特養ホーム 別の職員も侮辱発言 東京・東大和の特養ホーム
認知症の女性入居者(90)に対する男性職員の性的な虐待発言があった東京都東大和市の特別 養護老人ホーム「さくら苑(えん)」で、女性職員2人が、この寝たきりの女性の体つきを侮辱するような発言をしていたことが10日、明らかになった。人目 のない夜勤中に、言葉の暴力が繰り返されていた疑いが強まった。
男性職員の発言と同じく、介護内容に不信感を抱いた家族が録音したテープに記録されていた。今年3月中旬、夜勤でオムツ交換の介助をしていると思 われる2人の女性ヘルパーが「この年になってさー、寝たきりでさ、太ってんだからー」「これだけ太ってんだもん」などと、入居者の体つきを侮辱するような 会話をしていた。続けて「タチが悪いんだよ」との発言もあった。
入居者の長女(58)は「ばかにしたような発言は処分された男性職員だけでなく日常的にある。再発防止のため徹底的に調べてほしい」と話す。
9日付で就任した足利正哲苑長は同日の記者会見で、性的暴言以外の虐待行為について「推測だが、まだあるのではないかと思う」と認め、近く設置する第三者の人権侵害調査委員会で究明する考えを明らかにした。家族は複数ある録音テープをこの調査委に提出する意向だ。
また家族によると、5月には、ベッド近くに隠していた小型レコーダーを施設に発見され、録音済みテープ2本を没収されたという。内容は聞けず現在 も返却されていないが、同苑は「このテープには虐待が疑われる発言はなく、(同室の)入居者のプライバシー保護のため預かっている」と説明している。
【過去記事】保守記事.2 特養入居者に性的暴言