【タイ】マレーシア国境に近いタイ南部の山中で、人身売買の被害者とみられる30人以上の遺体がみつかり、タイ当局が捜査に乗り出した。
人身売買の拠点を捜索していたタイ当局が4月30日から5月1日にかけ、埋められたり、布切れをかけて地表に遺棄されるなどした26人の遺体を発見した。6日にも、最初に遺体が発見された地点から数キロ離れた場所で、さらに6人の遺体がみつかった。
現場には木を組んでビニールシートをかけた建物や衣類などが残されていた。タイ当局は、ミャンマーのイスラム教徒少数民族ロヒンギャ族など人身売買の被害者数百人が収容されていたとみている。このうち、病死したり、人身売買業者に殺害された人が遺棄されたもようだ。
この事件で、タイ当局は4日、ソンクラー県の村議、村長補佐らタイ人の男3人とミャンマー人の男1人を人身売買、誘拐などの容疑で逮捕し、別のタイ人4人の行方を追っていると発表した。また、6日、南部の入国管理事務所と南部のソンクラー県、サトゥン県、ラノン県などで勤務する佐官級の警官38人を警察本部付に異動した。人身売買に関与した疑いがあると判断したもようだ。
人身売買の被害者とみられる多数の遺体がみつかったことについては、国連、米国など国際社会からも真相究明を求める声が上がっている。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は6日、「苦境の中、故郷から脱出した人々が冷酷な人身売買業者に命を委ね、殺害された」として、深い憂慮を表明。タイ、マレーシアなど地域の各国に対し、人身売買の取り締まりを強化するよう呼びかけた。
ロヒンギャ族はミャンマー西部に居住。ミャンマー政府による迫害と貧困で、1970年代後半からバングラデシュなどへ数十万人単位の難民が流出した。2007年ごろからは船でタイ、マレーシアに密入国を図るケースが増えている。タイ政府は過去数年、領海内に入ったロヒンギャ族の難民船を沖に曳航して置き去りにしたなどとして、欧米の人権保護団体やメディアから批判を受けた。
今年1月には、タイ南部ナコンシータマラート県の路上検問で、ピックアップトラック3台など車5台に乗ったロヒンギャ族の男女97人と車を運転していたタイ人の男2人が不法入国、不法入国ほう助などの容疑で逮捕された。ロヒンギャ族の男女は数日間狭い車内にすし詰めにされ、満足に食事もとっておらず、車内で女性1人がすでに死亡していた。逮捕後、男性2人が血液感染などで死亡した。
タイに密入国したロヒンギャ族は人身売買業者の手引きで、マレーシア、インドネシアといったイスラム教徒が多い国に密入国していたとみられる。人身売買業者はタイ当局の取り締まりが厳しくなったことから、タイ南部山中の収容所を放棄し、別の場所に拠点を移すケースが増えているようだ。
人身売買の拠点を捜索していたタイ当局が4月30日から5月1日にかけ、埋められたり、布切れをかけて地表に遺棄されるなどした26人の遺体を発見した。6日にも、最初に遺体が発見された地点から数キロ離れた場所で、さらに6人の遺体がみつかった。
現場には木を組んでビニールシートをかけた建物や衣類などが残されていた。タイ当局は、ミャンマーのイスラム教徒少数民族ロヒンギャ族など人身売買の被害者数百人が収容されていたとみている。このうち、病死したり、人身売買業者に殺害された人が遺棄されたもようだ。
この事件で、タイ当局は4日、ソンクラー県の村議、村長補佐らタイ人の男3人とミャンマー人の男1人を人身売買、誘拐などの容疑で逮捕し、別のタイ人4人の行方を追っていると発表した。また、6日、南部の入国管理事務所と南部のソンクラー県、サトゥン県、ラノン県などで勤務する佐官級の警官38人を警察本部付に異動した。人身売買に関与した疑いがあると判断したもようだ。
人身売買の被害者とみられる多数の遺体がみつかったことについては、国連、米国など国際社会からも真相究明を求める声が上がっている。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は6日、「苦境の中、故郷から脱出した人々が冷酷な人身売買業者に命を委ね、殺害された」として、深い憂慮を表明。タイ、マレーシアなど地域の各国に対し、人身売買の取り締まりを強化するよう呼びかけた。
ロヒンギャ族はミャンマー西部に居住。ミャンマー政府による迫害と貧困で、1970年代後半からバングラデシュなどへ数十万人単位の難民が流出した。2007年ごろからは船でタイ、マレーシアに密入国を図るケースが増えている。タイ政府は過去数年、領海内に入ったロヒンギャ族の難民船を沖に曳航して置き去りにしたなどとして、欧米の人権保護団体やメディアから批判を受けた。
今年1月には、タイ南部ナコンシータマラート県の路上検問で、ピックアップトラック3台など車5台に乗ったロヒンギャ族の男女97人と車を運転していたタイ人の男2人が不法入国、不法入国ほう助などの容疑で逮捕された。ロヒンギャ族の男女は数日間狭い車内にすし詰めにされ、満足に食事もとっておらず、車内で女性1人がすでに死亡していた。逮捕後、男性2人が血液感染などで死亡した。
タイに密入国したロヒンギャ族は人身売買業者の手引きで、マレーシア、インドネシアといったイスラム教徒が多い国に密入国していたとみられる。人身売買業者はタイ当局の取り締まりが厳しくなったことから、タイ南部山中の収容所を放棄し、別の場所に拠点を移すケースが増えているようだ。