観測にまつわる問題

政治ブログです。「保険」「相続」「国民年金」「AIロボット」「運輸エンタメ長時間労働」「GX」を考察予定。

日本と国連

2023-05-23 20:15:41 | 外交安全保障
非常任理事国32年出馬、日本政府が苦渋の決断…グローバル・サウスに出番譲る(読売新聞 2023/05/23)

日本の常任理事国入りは常任理事国の承認が必要で中露が反対しそうです。あまり現実的ではなく、出来るだけ非常任理事国になる方が日本の国益に適うようが気がします。他のG4も同様でしょうね。敵国条項の削除も拒否権のある中露が反対するので上手くいきません。

今回のロシアのウクライナ侵攻でロシアの拒否権を剥奪すべきのような意見もありますが、ロシアの拒否権で否決されるでしょう。常任理事国は(古い)核保有国クラブであって、中々新入りは難しいんですね。核を保有すれば常任理事国になれるという前例をつくるのもおかしいでしょうし。

日本の国際貢献は国際的に高く評価されていると思われ(非常任理事国入り最多)、不条理なような気もしますが、(有志で新国連を組織する等して)中露を無理して追い出したら、ヤケクソで何をするかも分かりませんし、我慢も必要かと思います。ロシアのウクライナ侵攻は許し難い暴挙だと思いますが、世界を滅ぼす引き金はまだ引いていません(核恫喝はやっても核は使用していません)。個人的には理事国にならないかんのかとも思いますが、国際的には積極的であった方が誤解されず、消極的な日本人のままでは国益を損ねてしまうような気もします。グローバル・サウスに出番譲ることも日本の非常任理事国入りには必要なのかもしれませんが、日本人特有の消極性の現れかもしれないと正直思ってしまったのは否定できません(最多選出ですし、特に外務省のやり方に意見がある訳ではありません)。

日本が中露を敵国認定しているというより、中露がまさに敵国条項廃止阻止という形で日本を敵国認定しているというのが正確な国際情勢認識のように見えます。だからと言って、何か大きく困ったことがあるかと言われれば、そうでもない感じもあって、勝手にイキってろと思わなくもありません。

日本は戦前、国際連盟の常任理事国でしたが、満州事変を契機に脱退しています。その後も国際的な支持が広がるはずもなく、枢軸国の一員として大戦に突入する訳ですが、そのような過ちは繰り返したくないものだとは思いますね。まぁ常任理事国になって浮かれてもいいことないかもしれませんよ。

アメリカは国際連盟をつくりましたが、不参加でした。今では(国際連合に)参加していますが、分担金を停止するとか、積極的に行動しています。それでも大丈夫な訳ですが、アメリカだから出来ることなのであって、日本人にマネは出来そうにありません。日本はこれまでの反省を活かし、日本流で国際社会で生き抜いていってほしいものです。世界は科学技術の発展で「狭く」なっています。中国の海禁を真似した鎖国政策等、愚の骨頂ですよ。資源を輸入しなければ生きられないのですから。日本人が鎖国政策等採らずに、積極的に海外に出て日本人街を東南アジアにつくるのような行動を続けていれば、その後の歴史はどうなったろうと考えることがあります。

岸田外交の成果、広島サミット

2023-05-22 00:15:27 | 外交安全保障
【ノーカット動画】G7首脳が平和公園で原爆慰霊碑に献花(NHK 2023年5月19日)



(日独伊と米英仏加に分かれて戦った)先の大戦について様々な意見や感情はあるでしょうが、G7(日独伊米英仏加+欧2)の結束を示したと思います。外交上の大きな成果ですね。

G7首脳ら厳島神社訪問 夕食とりながら核軍縮など意見交換(NHK 2023年5月19日)



世界遺産・厳島神社の祭神は宗像三女神。海の道を守護する神ですね。地政学の概念にシーパワーとランドパワーがありますが、G7がシーパワーで中露がランドパワーとザックリ分けてみるのも面白いかもしれません。必勝しゃもじは宮島の名産品。

創建は佐伯氏により、佐伯氏は諸流ありますが、景行天皇紀に蝦夷が安芸の佐伯部になったとあります。ロ○アの子供の連れ去りは大きな人権侵害と思いますが、昔は日本もいろいろあったんですね。ウクライナ人はロシアやソ連の下、日本と不幸な歴史もあり、極東ロシアにウクライナ人は少なくないとも。

「広島のように必ず復興する」 ゼレンスキー大統領が原爆慰霊碑に献花 平和公園を初訪問(中国新聞 2023/5/21)



復興は人がするものであって、平和が前提です。日本も戦後に(アメリカ等の支援も受けながら)復興しました。大地震からの本格的な復興もある程度余震が収まってからになります。拙速であってはなりませんが、早くウクライナが占領地を回復し、復興に注力できるといいですね。

またロシアは如何なる理由でも核を使ってはならないし、核恫喝してもならないと主張したいです。それは世界を滅ぼす兵器です。その悲惨さは広島が示している通りです。

加えて低出力の戦術核であっても、(客観的に見て)ロシアにウクライナが侵攻している訳ではない以上、使う理由はないはずです。ウクライナは戦術核も持っていませんが、ロシアが使うなら、ロシアが使われても仕方ないとは言えますよね?戦術核はハードルが低く、冷戦時代はドイツ等も「持っていました」(核保有国にはなりません)。

ゼレンスキー大統領はインドのモディ首相と会談し、韓国の尹大統領と面会しています。戦争中のウクライナに行くのはハードルが少々高いかもしれませんが、サミットでゼレンスキー大統領に面会できる意味は小さくないと思われます。

新車だけでなく保有車も脱炭素、G7サミットで共有…「ガラス細工のような合意」自動車巡り主導権争い(読売 2023/05/20)

世界の製造業「地産地消」へ 経済安保最優先の行く末(日経 2023年5月21日)

半導体メーカーのトップが集まるのも凄いですね。

サミットではAIや金融不安も主要議題です。成果が大きいサミットになりそうですね。

>岸田首相、途上国支援へ JICAによる40億ドル規模の融資枠新設する考え(Share News Japan)

海外投融資とは、民間セクターを通じた途上国開発の促進を目指して、民間企業等による開発事業に対し出資や融資を行う国際協力機構(JICA)の事業です(外務省ホームページ)。第一次所得収支は日本はずっとプラスなんで。日本人にも必要な融資はありますが、途上国の発展も支援して損はないのでは?

まぁ、途上国には無償資金協力もありますし、債務返済免除・削減・猶予も時と場合によってはありますよ。それが国際社会なんで。国内も似たようなものですよね。日本が国際社会で生きていく上で、途上国支援があるのであって、国内経済を疎かにしている訳でも、大損こいている訳でもありません。

ナザレンコ・アンドリーツイッター

>歴史的な例えをすると、今、広島で起きているのは21世紀のヤルタ会談。ロシアの全面敗北が既に確定しているので、各国のリーダーはロシアが存在しない世界の在り方、ロシアが崩壊した後にどうやって中国によるシベリア資源の独占を防げるか等について話し合っているのです。歴史教科書に載るよ!

G7首脳らが非公開で何を話し合っているか分かりませんが、ロシアの崩壊まで視野に入っているのかもしれませんね。

中国に関しては動きがある可能性も。

G7首脳声明、中国に「ウクライナ撤兵へロシアに圧力かけることを求める」(読売 2023/05/20)

バイデン大統領「核戦争の悲惨な現実を強く認識」【会見動画】(NHK 2023年5月22日)

>米中の軍どうしで連絡を取り合う「ホットライン」の再開を急ぐべきだという考えを示しました。
>「雪どけは近く起きるだろう」と述べて、近く、中国との関係改善に向けた動きがあるとの見方を示しました。

ここからは反対意見関連・・・

処理水放出、日本の取り組み「支持」 G7首脳声明(産経 2023/5/20)

尹大統領は日韓関係改善に努力してきたと思いますが、それでも韓国は科学的なIAEAの検証に関わらず処理水放出に関して強く反対しており、日米韓連携の障害にもなっていたので、G7の支持は有難い話ではありますね。韓国も科学的に処理水放出を捉えて損はないだろうと思います。あまりシツコイと割引目的のイチャモンクレーマーに見えますよ。韓国の処理水視察団が来週来日する前にこのG7首脳コミュニケが出された意義は大きいという指摘も。

中国 G7首脳宣言は「中国を中傷し攻撃するもの」と強く反発(NHK 2023年5月21日)

中国は(G7と違って)台湾海峡の平和と安定を望んでいないと。またロシアのウクライナ侵略を本気で止める気もないんでしょうね。

まぁ日本資本も進出している世界の工場の中国が一蓮托生とばかりにロシアに武器支援しないことを望みます。

鈴木宗男氏、G7サミットに「失望する」(産経 2023/5/21)

>鈴木氏はG7首脳がウクライナ支援の継続で一致したことを念頭に「ウクライナに武器を出すことは良しとし、ロシアに武器等協力するのは怪しからん(ママ)というのはなんとも身勝手な話ではないか」と批判。

ウクライナに侵攻したロシアが身勝手という話ですよ。どうぞ、どうぞ維新のイメージを悪くしてください。G7首脳がロシアに侵略されたウクライナが勝つよう支援しているのは私はいいと思います。日本も出来る支援はしないといけません。

核廃絶決議に反対する露中朝は核を簡単に廃絶しないと思われ、米英仏の核のみ廃絶してしまうと(抑止力なしでは)、一方的な現状変更を試みる露中朝の冒険主義に歯止めが効かず、寧ろ核が使われてしまうかもしれません。実際に防備が薄いウクライナはロシアに狙われましたし、核脅迫もありましたよね?

「G7広島サミット粉砕」を主張してG7広島サミットに反対するデモを行う極左団体がいたようですが、誰のためにG7サミットを粉砕するんでしょうね?

「中国侵略反対」を主張してG7広島サミットに反対するデモを行う極左団体がいたようですが、中国が台湾等を侵略するんでしょうに。

「戦争反対」を主張してG7広島サミットに反対するデモを行う極左団体がいたようですが、ロシアに言ってくれ。

G7で世界の問題に対応するという意味で広島サミットは成功するだろうとは思いますが。

既に叩かれている北朝鮮なんかは気にせず核恫喝すると思います。

連中が思い止まるのは実際に戦争になったら勝てないからであって、勝てると思ったら攻撃してくるのはロシアのウクライナ侵略を見ての通りです。

>サンモニ・青木氏「核のボタンも堂々と持ち込まれている」(Share News Japan)

将来的な核廃絶を理想とするとしても、相手が核武装を解くまで、核抑止力は維持する必要があります。アメリカ大統領が常に核ボタンを持ち歩くことで現実は平和が保たれているんですね。

何時理想に到る?(核軍縮を停止する)露(不透明な核増強の)中(核拡散路線の)朝に聞いとくれ。

>松山千春氏「G7にプーチン大統領、ゼレンスキー大統領両方呼んで、先ずは銃を置けと呼びかけるべき」→ 鈴木宗男氏「流石!私の主張、訴えと同じ」(Share News Japan)

プーチン大統領は占領地を維持できるなら応じるかもね。また侵略するだろうけども。

ウクライナは占領地を回復できなければ、収まりますまい。侵略したロシアが悪いのであって、国際的にウクライナへの支持は強いです。ウクライナが占領地を回復してから継続的な停戦の呼びかけをしてくださいね。

日本に戦術核の配備を

2023-05-16 17:26:04 | 外交安全保障
米韓ワシントン宣言が日米「拡大抑止」にもたらす新たな課題と可能性(Foresight 村野将)

ドイツも核共有で戦術核を「持っていました」から、 日本も(必要なら憲法改正して)戦術核(日経4946)(=対象が軍事拠点の低出力「核兵器」)を配備した方が日本の平和は保たれると思いますね。抗堪性の観点から潜水艦発射型(SLBM)が良いようです。なお戦略核が都市攻撃型。これは日本が核保有国になろうという主張ではありませんので、悪しからず。

海自に建設国債を認めるというニュースがありました(自衛隊艦船など防衛装備品にも建設国債 来年度予算案で政府方針 朝日新聞 >政府が新たに建設国債の対象とする装備品は、運用期間が数十年間と比較的長い護衛艦や潜水艦といった防衛装備品)から、政府は分かっているんじゃないかと思います。効果的に国を守ることは今すぐ必要ですし、将来世代のためですね。

ロシアの北海道への野望と極東アジアの日本の権原

2023-04-12 04:18:47 | 外交安全保障
ロシアの第3政党の「公正ロシア」のミロノフ党首は「北海道の全権はロシアにある」と主張しており、最近プーチン政権のキーマンの傭兵組織ワグネルグループのプリゴジン氏と接近しているようです(平野高志 ツイッター)。ロシアは日本の隣国であり、その動向は注意していかないといけませんね。

日露間の最初の国境協定=日露和親条約で両国国境を択捉島とウルップ島の間と定めており、樺太は棚上げになりました。つまり北海道は歴史的に日本領だとロシアは認めてきました。ロシアは条約に署名していませんが、サンフランシスコ講和条約で北海道及びその属島を日本は放棄していません。

日本は千島・樺太をサンフランシスコ講和条約で放棄しましたが、ロシア領と認めた訳ではありません。ロシアが北海道の領有を主張するなら、サンフランシスコ講和条約締結国に第2条(c)の改正を求めていくべきかもしれませんね。千島や樺太にはアイヌがおり、アイヌは歴史的に日本と深い関係にあります。

北海道に展開したオホーツク文化人はニヴフと同系とも言われ、ウィルタと共に日本の統治下にありました。極東には極東の歴史があるのであって、一般にウラル山脈がヨーロッパとアジアの境目とされます。伝統的にヨーロッパに居住したスラヴ系のロシア人は「お客様」でしかありません。

中国の新しい歴史教科書には、「極東の中国領150万平方キロが、不平等条約によって帝政ロシアに奪われた」との記述が登場しているようです(ウラジオストクは「中国固有の領土」か=始まった極東奪還闘争 フォーサイト-新潮社ニュースマガジン)。中国が平等に気を使っていると思えませんが、不平等を糺そうとするなら、その心意気は必ずしも否定されるべきものではないのかもしれません。

プーチン大統領と停戦考、何を持ってウクライナの勝利とすべきか(追記)

2023-04-03 17:21:17 | 外交安全保障
日本の安全保障「世界で最も厳しい」 防衛研究所・高橋杉雄氏「正論」懇話会要旨 (産経 2023/4/3)

ウクライナが被占領地を全てあるいは部分的に奪還して戦争を終わらせる決意をした時、プーチン大統領が応じず占領地の回復をあくまで目指すかは微妙だと思います。国力を消耗するだけでしょうから。プーチン大統領は中国のためにロシアを消耗させたい訳ではないのでは?

プーチン大統領を変心させて諦めさせることは出来ないでしょう。プーチン大統領は米中戦争で中国が勝つシナリオに期待し、それに乗ずるオプションを固持すると考えられ、そこは我々が(戦争を中国にさせずに)勝つことでどうにかするしかないと思います。

ロシアはウクライナを欲しており、勝てると思っていましたが、当初は全面戦争まではするつもりではありませんでした。中国も台湾を欲しており、その力をつけつつあって、戦争を決意する可能性はあるでしょう。日本が対策しないといけないのはその通りと思います。

ロシアは勝って中国を促す意図もあって、戦争を決意した可能性があります(その意味で逆効果でしたが)。だとすると、プーチン大統領はウクライナを手に入れるシナリオを延期する可能性があるような気もします。他力本願ですが、中国が勝つまで待つ訳です。

核兵器をプーチン大統領がウクライナで使わなかったのは本気で終わりと諦めていなかったからなのかもしれません。ウクライナが復讐のため、戦争の根元を断つため、ロシアに攻め込む可能性は低いし、(核がありますので)それはする力もないと考えているのでしょう(体制維持が最大目標)。

体制維持に次ぐプーチン大統領の目標ですが、ロシアの拡張にありはするのでしょう。そのための前提としてパクス・アメリカーナは都合が悪い訳です。まずは自力でその打開を図りましたが、次は他力も利用してその打開を図る可能性も考えられます。

負けが込むと体制維持が危うくなります。プーチン大統領は今回の戦争の失敗から、欧米の力、欧米が警戒する中国の力を内心見直しているのかもしれませんが、何処かのタイミングで冷静に損切するつもりのようにも思えます。

勝利こそが平和 広島サミットに期待 新欧州センター所長、アリョーナ・ヘトマンチューク氏(産経 2023/4/8)

私は日本のウクライナの勝利に貢献する立場を支持するものですが、何を持って勝利と定義するかの問題があると思います。

ウクライナにとってクリミア半島の奪回が勝利条件かもしれませんが、ソ連の遺産=セヴァストポリ海軍基地があって、元々完全にウクライナの領土でなかったと思います。

核もそうですが、ソ連の軍事的資産はロシアにウクライナは引き渡したんですよね。借地契約を取り消せばいだけと思うかもしれませんが、クリミア半島はアゾフ海を区切る位置にあって、ロシアが黒海艦隊を運営する上で、欠くことが出来ない基地ではあると思います。私はザポリージャやヘルソンは勿論ドンパスもロシアが本気でロシア領と考えているか疑っていますが、クリミアのロシアにとっての重要度は他と違う可能性があるように見えます。元々クリミア・ハン国でもあって、帝政ロシアの主要な戦勝記念の地でもあるんじゃないでしょうか。

現実問題、ウクライナがクリミアに反攻するなら、地勢上海からの攻撃も必要になってくると思われ、可能だとしても長期間になるとも予想されます。何を持って勝利とするかはウクライナが決めるべきで、日本はそれを支援するべきではありますが、ロシアの意志をこちらで推し測ることもしないと上手く平和が訪れないと愚考する次第です。ロシアの核兵器で防衛する意志をそのまま受け取れませんが、ロシア本土にウクライナも侵攻する意志はないのであって、何をロシア本土と捉えるかに関して、争いの余地がないか考えることも必要でしょう。

ウクライナがクリミア半島を諦める必要はないと思いますが、以上の理由で北方領土方式で平和的に要求していく形も有り得るだろうと思います。北方領土もロシアにとって軍事的に重要な位置にあって、日本がサンフランシスコ講和条約で千島列島を放棄している問題があります。

中国の台湾進攻の可能性を低く見積もるべきではない

2023-03-10 09:43:48 | 外交安全保障
ユクサ・ターヤ@本当の国益を考える(@koueki2)twitter 午後10:05 ·2023年3月9日
>軍事的にはもちろん、政治的にもあり得ないでしょう。台湾侵攻しても台湾を占拠することなんてほぼ不可能だと習近平も理解しているでしょうし失敗したら失脚のリスクを取るほど馬鹿ではないでしょう。アメリカは必死に煽ろうとしていますが、台湾にしてみれば投資が減る迷惑。

中国は台湾軍が一枚板でない(内通者が出る)ことに期待しているでしょう。実際に台湾軍が分裂するなら、台湾占拠の可能性があると思われ、独裁者の判断次第で侵攻は決断され得ます。

ウクライナ大統領はロシアが攻めると煽るなと言っていたんですよね。
ウクライナ大統領、ロシア侵攻めぐる発言の抑制要求 「これはパニック」(CNN 2022.01.29)。
侵攻予測が高まるとウクライナがパニックになって不都合が発生するからなんでしょうが、これは今から見ると甘い発言です。

だから台湾(及び自称味方)が中国が攻めると煽るなと言うなら、台湾の弱さだと見て、中国軍が実際に攻めてくる可能性が高まると言えるんだろうと思います。

日本としても中国は台湾を攻めるぞと言っていることを軽視するべきではないでしょう。日米同盟は非核武装国の日本を守っていると思いますが、台湾を諸外国の国家または政府と同様に扱う台湾関係法で米軍は台湾救援のオプションがあって、米軍の介入前提で中国が攻撃を決断した時(中国はその能力があると見られています)、在日米軍基地等は攻撃される可能性があります。

米軍がいなければ日本が安全という訳でもありません。独裁者の発想として台湾の次は日本でしょうし、日本の防備が甘いと見たなら、日本が先の可能性もあります。米軍の来援の可能性が無ければ、中国の台湾侵攻の可能性は明らかに高まります。尖閣・沖縄侵攻の可能性も同様で、米軍基地/日米同盟が無ければ、明らかに侵攻の可能性は高まるでしょう。基本的に警察は犯罪を抑止しているのであって、犯罪を煽っている訳ではありません。

(軍事の前提となる)経済が重要と言うなら分かりますが、台湾や日本に求められているのは、中国の侵攻を怖れることではありません。能力があり意志を見せる中国の侵攻を前提に淡々と準備することです。

ウクライナ未訪問のG7首脳は岸田首相ただ一人に

2023-02-21 21:28:24 | 外交安全保障
ウクライナ未訪問のG7首脳は岸田首相一人に(産経 2023/2/21)

>日本では自衛隊を現地に派遣し、首相を警護させる法的根拠がないという

・・・自衛隊法第八十四条の三「在外邦人等の保護措置」に邦人の警護についての規定があります。ただ緊急事態認定と戦闘行為非実行認定がハードルかもしれません。侵略戦争に反対する、あるいは自衛戦争に賛成する目的の外交において警備が必要な時、戦闘行為が行われていてもリスクが受け入れられると内閣総理大臣、あるいは国会が判断した時に自衛隊が(邦人)警護を行うというふうに法改正するのはどうでしょうか。

他が行くからという訳でもないんですが、岸田首相も行けばいいのにと思いますね。さすがに戦争が行われている地域ですから、自衛隊の警護抜きに行くことも出来ないでしょうが(どうしても行くというなら、民間の警備会社に委託するという選択肢は考えられなくもありません)。

国会議員が行く場合とか、ジャーナリストが行く場合とかはどうするかというのもありますね。少なくとも後者で自衛隊が動くこともないんでしょうが(外交じゃないので)(個人の責任を認める、民間警備会社に委託する、元自衛官の警備員の需要はあるかも)。パフォーマンスでの国会議員の訪問はともかく、国会で超党派で認められた議員外交で自衛隊が動くことは考えて良さそうです。

ポジティブリストの「軍隊」と偵察用気球という航空機、ハイブリッド戦

2023-02-08 14:25:44 | 外交安全保障
スパイ気球、日本も撃墜可能…浜田防衛相「国民守るため現行法でも状況次第で」(読売 2023/02/07)

お言葉ですが、自衛隊法が定める弾道ミサイル等に対する破壊措置は偵察用気球を想定していないという指摘があるようです(日本にも飛来した気球、官房副長官「関連性分析へ」…領空侵犯だが自衛隊法では撃墜困難 読売 2023/02/06)。日本は情報をとられること(情報戦<ハイブリッド戦)にもっと危機感を持っていいのかもしれません。

自衛隊法(e-Gov)
>第八十二条の三 防衛大臣は、弾道ミサイル等(弾道ミサイルその他その落下により人命又は財産に対する重大な被害が生じると認められる物体であつて航空機以外のものをいう。以下同じ。)が我が国に飛来するおそれがあり、その落下による我が国領域における人命又は財産に対する被害を防止するため必要があると認めるときは、内閣総理大臣の承認を得て、自衛隊の部隊に対し、我が国に向けて現に飛来する弾道ミサイル等を我が国領域又は公海(海洋法に関する国際連合条約に規定する排他的経済水域を含む。)の上空において破壊する措置をとるべき旨を命ずることができる。

自衛隊法82条の破壊措置は読売2/6(現在は読めません)(2/12yahoo記事の出典)で言及されており、偵察用気球の撃墜困難とされます(2/16追記)。個人的には気球は弾道ミサイルではなく、関係無い条文かと思います。風船爆弾=気球なら弾道ミサイルだとも読めなくはなく、判別は案外難しいのかもしれませんが(2/16追記)。

>第八十四条 防衛大臣は、外国の航空機が国際法規又は航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)その他の法令の規定に違反してわが国の領域の上空に侵入したときは、自衛隊の部隊に対し、これを着陸させ、又はわが国の領域の上空から退去させるため必要な措置を講じさせることができる。

自衛隊法84条の航空機ですが、気球やドローンも含まれるのだとすれば、現行法でも気球やドローン(非正規戦<ハイブリッド戦)の破壊措置は可能かもしれないとは思います。(無人機を)着陸させたり退去させたりの文言がやや大仰で滑稽にも映りますが。想定外を想定することも重要だと思いますが、公開で議論することは手の内を晒すことにもなりかねないとは思います。

自衛隊はポジティブリストの「軍隊」でネガティブリストの軍隊とは質が違います。想定外には弱いんじゃないでしょうか(実際宮城に来た時は野放しだった訳で)。憲法改正が必要なのでは?

ロシアのウクライナ侵攻で正規戦に注目が集まりましたが、(元はハイブリッド戦から始まっており)依然ハイブリッド戦にも注意が必要だと思われ、ポジティブリストで対応できるのかが問われている気がします。

(某国の台頭で)軍事バランスの均衡が破れると戦争が起こる可能性が高まると考えられ、日本は十分な備えを平時からしておいてほしいと思います。

小谷哲夫氏(ツイッター 午前9:45 · 2023年2月8日)によれば、「昨年6月にハワイ沖に墜落した気球を回収・分析して初めて、米情報機関はこれが中国の偵察気球だと把握できたとのこと。」だそうです。日本は未確認飛行物体を野放しにしているのでしょうか。高高度偵察気球の対処は難しいとは思いますが、要は正体不明の「スパイ」ですから、野放しにしておく訳にもいかないはずです。

偵察気球は撃墜困難とも言われるようですが(中国の「偵察気球」は撃墜困難 米専門家 yahooニュース afp 2/4(土) 17:22)、撃墜できたのはF-22ならでは(ツイッター 午後1:12 · 2023年2月5日「気球はレーダーでは探知しにくいが、F-22本体の強力なレーダーをサイドワインダーとデータリンクさせることでロックオンが可能だったとのこと。」なのかもしれません。いずれにせよ、日本はどうするかが問われています。F-35はF-22と同等のレーダー性能がありますが、高度6万フィート(約1万8000m)以上まで上昇できないとのことです(F-15はF-22と同様に上昇できるようで、日本の主要装備です)。宮城上空で中国の気球が何をしていたのか(ただ目撃されただけで通過点だったのか、宮城に用があったのか)分かりませんが、その目的如何によっては、撃墜する必要もあるはずであって、日本の装備大系が改めて問われると思います。

日本が反撃力(敵策源地攻撃力)を整備するべき理由

2022-10-28 18:48:02 | 外交安全保障
米軍(やロシア軍)が大量にミサイルを持っていても、攻撃の威力は限定的という問題はありますが(例えばシャイラト空軍基地攻撃)、これは中国軍や北朝鮮軍にも言え、日本が反撃力を持つことで、中国軍や北朝鮮軍を抑止するということではないんでしょうか(日本が北や中国に攻撃される可能性ですが、北に関して言えば、米本土攻撃能力を整備することで、自衛能力のない日本だけをターゲットにしてくる可能性が考えられ、中国に関して言えば、アメリカを超える実力を持っていくことによって、台湾の強制併合から発展する巻き込まれ、尖閣紛争のエスカレーション、沖縄奪取など可能性が考えられます)。勿論、中国軍や北朝鮮軍は大量にミサイルを持っており、抗堪性が重要になってはきます。この矛の役割は現在、米軍が担っていると理解していますが(だから日本は平和だった)、米本土を人質にされると、米軍が反撃しない可能性も考えられますし、少なくとも敵独裁者はそう考えるかもしれません。そのために日本が反撃のための矛を持つ必要があるという訳です。日本が先制攻撃する可能性に関して言えば、中ロ朝の武器の量・抗堪性を考えると、わざわざ自分の身を危険に晒すことは考えられないということにはなります。ただきっかけは小さな小競り合いで例えば尖閣でのエスカレーションの危険性が無いとは言えません。しかし日本は自衛する必要があります。無暗な挑発行為を是とする訳ではなく、話し合いのチャンネル等をあっていいとは思いますが、敵視点の意見は違うのではないでしょうか。これまで日本が反撃力を十分整備しなかったのは、憲法の制約(必要最低限の自衛力)もあったかもしれません(大量破壊兵器以外の制約は必要ないと考えます)。憲法を政争の具とせず、日本のため憲法審査会で忌憚のない論戦がなされることを期待したいと思います。

進む習近平独裁

2022-10-23 23:48:26 | 外交安全保障
胡錦濤氏の突然の退席は「体調不良が原因」…新華社、英語版公式ツイッターで発信(読売 2022/10/23)

胡錦濤氏に体調不良があったとしても、それは口実で習近平氏(周辺)の指示で胡錦濤氏の面子を潰したように見えますね。事実、人事は習近平氏独裁が進んでいるようです。

強硬派と目される習近平氏が台湾進攻とかおかしな決断をしないか心配ではありますね。