僕はもう一度彼女に恋をした
校庭の正門から二本目の桜の根本に
古いブリキの箱を探す
あった あった
確かに埋めた失恋の文字が
幾重にもなって見っかった
それらを捨て去ったら また
秘密を封入して そこを立ち去る
銀河系の宇宙の果てに
一滴の光を放ったら
氷の粒のように返ってきたのさ
だからこそ また笑う ただ想う
運命論者が諧謔的であてこすりの達人だったら
神様も許してくれそうだから
今日も土手の斜面で寝転んで
再びの淡い感情を赤面しながら
もんどりうちながら
かえすがえす推敲する
そしてもう一度の青春だなあなんて言って
神様と彼女を驚かすんだ