秋桜が風に揺れる季節になると懐かしく思い出される秋桜畑があります。
黄金色の穭稲を背景に美しいコスモス畑でした。
母の病院帰りの写真は5年前97歳の時。
今日も母の病院帰り、回り道をしてみたけれどそこに花はなく、
穭稲の田園が広がっているだけ。
施設でお世話になっている母とは日ごろは面会謝絶、
でも、このところ病院通いの時に会う機会が増えています。
耳下に再発したがん組織は固いしこりで、日ごとに大きくなっているのです。
苦痛がでたり皮膚が破れたら施設では対応できなくなってしまいます。
きれいだった母の顔、がん組織が目に見えるのは辛く腹立たしいものです。
「102歳、手術や抗癌治療には耐えられない、緩和ケアを勧めたい」と医師から宣告。
「緩和ケア」母を看取るための入院になるのです。
痛みが出る前に緩和ケアの病院探しをしなくてはいけないのですが、
ケア病棟がコロナ入院用に変更されている所が多いのが現状です。
今日は施設の方と一緒に母も連れて緩和ケア病棟を持つ病院を訪ねました。
入院の受付はしていただけたのですが、病室は空き待ち状態。
入院するにあたっての説明を受け、覚悟はできていると答えたのですが・・・。
今の施設では顔見知りの人も多く、心のこもった介護を受けています。
昼間は大きい部屋で皆と過ごし、トイレも介助でおこなっていますが、
病院ではベッドで寝たきり、おむつ介助になってしまうのです。
コロナ禍の今は面会もできなくなっています。
それでも、痛みや苦しみのない最後を選択することにしました。
一日でも長く今の生活を続けさせてあげたいし、
痛みの出てくるまでに入院させてあげたいし、
ベッドの空きを待つ、それは誰かが・・・複雑な思いです。