母は一週間の入院で無事退院できました。
切除した傷跡はきれいになり、大きい病巣を取り除いたようには見えません。
病院での寝たきり生活が続くと認知症が進行してしまうことも心配でしたが、
私の顔を覚えていたことにもひと安心です。
昔の母を知っている看護師さんが二人来てくださり、
「きれいに戻れて良かったね」
「ご主人の介護頑張ってたね、私のこと覚えてる?」と声をかけてくださいました。
母は看護師さんを見つめて「ありがとう」と答えました。
看護師さんの顔に笑顔があふれました。
「ありがとう」の言葉に、この病院での父を思いだしました。
長年の患いの中で、ほとんどの言葉を発しなくなっていった父、
それでも看護師さんに「ありがとう」のひと言は忘れませんでした。
何もかも忘れていく中で「ありがとう」の言葉を忘れない父に
付き添う家族としてホッとしたものです。
私も「ありがとう」を最後まで忘れない生き方をしたいと願います。
母はお迎えの施設の車から手を振りながら帰っていきました。
施設では退院後の「ケアカンファレンス」を開いてくださいました。
相談員の責任者、ケアマネージャ、看護師、介護担当者、
切除後の縫合跡を傷つけないようにするための相談です。
私からは介護の負担にならないようミトンなどの装着をお願いしたのですが、
「落ち着いている間は普段通りで見守りましょう」と。
この3月で施設に入所して3年になります。
インフルエンザ予防、そしてコロナ禍と施設での母には会えないけれど、
時々病院で施設の方と一緒に診察を待ちます。
車いすでの体勢を気遣ったり、手を握って声掛け、
家族でもできない温かい介護に感謝の思いでいっぱいです。
次は2週間後の経過診察に。
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