夜7時過ぎに家の前まで帰って来たら、
雨の中、傘もささずに歩いているおばあさんがいました。
我が家の前の道は、1時間に数台しか車が通らず、
近所の人以外はあまり歩かない道です。
暗がりでしたが、ぱっと見た感じ、この辺のおばあさんではなさそうだし、
だいたい雨が降っているのに傘もささずに歩いているって
何か変だなぁと思いました。
家に車を止めてから、ちょっと考え、
とりあえず傘くらい貸そうと、傘を持って車を降りました。
道路に出てみると、えらく足が速いおばあさんは、
もう見えなくなりそうなくらい向こうを歩いていました。
どうしようかなぁ…と一瞬思いましたが、
知らん顔したらあとで絶対後悔するって思い、
小走りで追いかけて、「どちらに行かれるのですか?」と声をかけました。
そしたら「××に行くんよ」と地名を言われたけど、
そこは、いまいる場所と全く方角も違う場所。
距離にして5~6キロはあります。
この距離をずっと歩いてきたなんて、すごい体力。
「ここは○○ですよ、方角が全然違いますよ」と言ったら、困った様子。
県道のすぐそばで路線バスも走っているので、
「バスに乗って帰られますか?お金はありますか?」と聞いたら、
お財布を出して、見せてくれました。小銭は500円とかはありましたが、
このままバスで駅の方まで帰ってもらっても、それからどうなることか…と思い、
「お家の電話番号わかります?」って聞いたら、
「多分******番だと思うけど」って言われたので、
ちょっと怪しいかもと思いながらかけたら、留守電。
だめかなぁと思いつつ、もう一度。
こんどは若い女の子のような声の方が電話に出られました。
おばあさんに聞いた名前を告げたら、
「あ、おばあちゃん?ちょっと代わります」と言って、
お母さんらしい方が電話に出られました。
すぐに状況がお分かりになったようですが、
おばあちゃんは自室にいるものだと思っていたそうです。
迎えに行きますと言われたので、だいたいの場所を告げて、
雨の中、傘をさして、20分くらい待ちました。
おばあさんは、何度も同じ話をされたりするので、
少し認知症気味なのかなと思いました。
でも、自宅の電話番号はきちんと覚えてらっしゃったので、良かったです。
家族の方と何度か携帯でやりとりしながら場所を伝え、
ようやく巡り会えました(20分くらいがすご~く長く感じました)。
お嫁さん(おしゃれな感じの方)と
お孫さん(いまどき珍しくきちんとした、感じの良い女子高生)が車から下りてこられました。
お嫁さんは、おばあさんをひとこと叱り、でもホッとした感じで、
何度何度もお礼を言われました。
おばあさんは、自分が雨でびしょびしょになっているから「車に乗られん」と遠慮がち。
でもまぁとにかく無事で良かった…。声をかけて正解でした。
別れて30分くらい後に、お嫁さんから電話がかかってきて、
「近くまで来ているのですが、お礼がしたいので、すみませんが、ちょっと出てきてもらえますか?」と
言われるので、躊躇しながらも、気持ちを汲み取らなければ、
あちらも気が済まないと思い(逆の立場なら、同じことをしたでしょう)、
家の前の道路で立ち話。お菓子をいただきました。
おばあさんが、こうやって出て行かれて、わからなくなったことが
これまで数回あったそうで、いざとなったら持たせている携帯のGPSで
探すこともできたらしいですが、
さて、おばあさんのバッグに実際携帯が入っていたかどうかはわかりません。
お嫁さんもお仕事が忙しいと、ずっと見張っているわけにもいかず…と事情はよく理解できます。
とにかく、お礼をたくさん言われて帰って行かれました。
みなさん、雨の中、傘もささずに歩いているお年寄りを見かけたら、
迷わず声をかけた方が、あとで後悔しないですみますよ。
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