18年にもなりますか

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進路

2006-07-19 00:11:26 | 
 学歴につづいて進路について。

 日本の中にいると、どうしても周囲のテンポに流されて、自分の進路について真剣に考えることが遅くなる。え?「うちの子は、もう進学校に行って京大とか東大を狙うと決めています」って?

 いや、そういう進路ではなくて。人生の進路のこと。

 なぜかあまりにすべての人たちが近視眼的でかなわないのだけども、殆どの人がどうしても近場の何年かのことで進路を語りすぎである。そんなことだから”なぜ勉強しなければならないのか”という質問に答えられないのだ。

 欧米では、世の中の仕組みをきちんと理解させる授業が盛んだという。世の中の仕組み、つまり平たく言えば経済だ。

 銀行の役割、麦やトウモロコシを作る人、牛や羊を飼う人、海で魚を捕る人、そしてその為の機械を作る人、機械を動かす油を掘る人、家を造る人、車を売る人、テレビ番組を放送する人・・・

 世の中の仕組みが分かることで、いままで全く知らなかった、商売の仕組みや、なぜお父さんやお母さんが働きに行って、お金がもらえているのか、そしてもっとお金をもらうようになるためにはどうすればいいのかなどに対する理解が深まる。

 そういう事から、子供達に職業感や仕事に就くことの大切さ、自分はどんな仕事につくのがもっとも成功するのかを考えさせることで、学習の必要性を理解するのだそうだ。

 結婚してシアトルに住んでいる昔からの友達も、40代半ばだが、アカウンティングのコースと取って勉強しながら仕事をやっている。いまはコースは中断中だそうだが、勉強や講習の位置づけが極めて明確だ。

 翻って、子供の進路を考えてみよう。子供にいきなり、あなたは将来何をやりたいの?と聞いて答えさせるのは、無茶というもの。それで答えたものが必ずしも本当にやりたいことなのかどうかなどわかりはしない。

 そんな話をする前に、世の中がどんな仕組みで成り立っているのかを、少しずつ話したり、見学させたり、体験させたりしながら、理解させて、こどもが目を輝かせて、”将来はこんな職業に就きたい”と言えるようにするのが先決だ。

 例えば、銀行業に興味をもった子供がいたら、お金のことを仕事にしたいのなら、こういう勉強をするのがいいんだよ。ときちんと説明して、学業の大切さを理解させればいい。

 ワタミフードサービスの社長として有名な、渡辺美樹氏は、1つ1つの目標を明確にして、期限を決めて、それまでにやらなければならないことを挙げてゆきながら、目標に向かうことを進めている。

 彼のことを特殊というのは簡単だ。確かに、佐川急便でのセールスドライバーとしての働きっぷりは、大変なものがある。よくまあ居眠り運転しなかったものだと感心してしまう。でも、自ら決めた目標に向けての目の前の階段を上っているにすぎないから、彼はそれをなんなくこなしてしまった。

 やりたいこと、達成したいこと、獲たいことという目標とそれに対するプロセスのバリエーション。 

 進路というのは、こういうものだとは言えまいか?

 もういちど、「将来何になりたいの?どんな仕事がしたいの?」と問う前に、まずは世の中の仕組みの話をおもしろおかしくして、関心を持たせよう。それから、そんな世界の中を生きてゆく為にどんな仕事につきたい、どんな仕事に関心がありそうなのかを聞いてみる。そして親子でできれば目標を共有して進めばいい。

 けっして、親が誘導してはいけない。「いい会社に入るとお給料が高くて良いよ」というのは子供に取っては全く余計なお世話だ。