市原市議会議員 小沢美佳です

市政や議会の報告、日々の活動や想いを綴ります。
一番身近な地方政治の面白さが、皆さんに伝わりますように・・・

「ジャンパー事件」から学んだこと

2018-11-12 | 生活困窮
小田原市の「ジャンパー事件」を覚えていますか?

昨年1月、生活保護担当の職員が「保護なめんな」などと不適切な表現をデザインしたジャンパーを着用して、10年にわたって生活保護受給者宅を訪問するなどの業務をしていたという事が明るみになりました。

あれから1年半。
参議院議員会館で開かれた「女性議員パワーアップ集中講座」で、小田原市職員からその後の生活保護行政の改革についてお話を伺いました。
題して
「誰もやりたがらない仕事」を「やりがいのある仕事」に変えた方法は何か?



まず驚いたこと。
説明してくださったのは、生活保護の担当部署である福祉政策課の職員に加え、もう一人は企画政策課の職員だったのです。
当時、市長が「トカゲの尻尾切りで終わらせることは絶対にしない。これは全庁的な問題だから、企画部が動け」と指示を出したのだそうです。

実は、かのジャンパーは、生活保護を打ち切られた男に職員が窓口で切り付けられた事件がきっかけで「一致団結の象徴」として制作されました。日々の業務のあまりの多さに疲労感や閉塞感が蓄積していたこともあって、職員の連帯感を高揚させる意味もあったようです。
当時、庁内では、誰もそのことを気にしていませんでした。
市長は、そんな組織全体の在り方に問題があったことが根本的な原因と考え、1年間で改善するよう明確に方針を打ち出しました。
外部有識者を加えた「生活保護行政の在り方検討会」の立ち上げ、シンポジウムの開催、徹底した情報開示。もちろん、生活保護担当職員の増員をはじめ業務の大幅な見直しも断行しました。市長が直に担当職員と話し合う機会も積極的に設けられているそうです。

全国から集まった女性議員たちからは、次々と質問の手が上がりました。


「まるで予算委員会で追求されて答弁しているみたいです・・・」と苦笑しながら答えるお二人(笑)。


この事件はマスコミでも大きく報道されたことから、小田原市には全国から非難の声が集中しましたが、一方では「よくやった」と職員の行為を支持する声も相当数あったのだそうです。
一般的に、生活保護制度は不正受給のイメージが根強くあって、援助を必要とする人へのまなざしが弱くなりがちであることは否めません。
これは決して小田原市だけの問題ではないし、組織の在り方についても生活保護行政に限ったことではないと感じました。

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