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ふつう学級の魔法の話(その3)
《いることの魔法》
私たちの文化では、本当に自分が感じていることと自分を切り離して考えるよう教えられる。
そうして一つ一つ、子どもは魔法を取り上げられる。
「ちゃんと言葉で言わなきゃわからないでしょ」と大人が言う。
でも子どもは、生まれたときから「声」と「いること」でつながる魔法を知っている。
「泣いてたら分からないでしょ」と叱られる子ども。
その隣で、ただ泣きそうになっている子ども。
誰かが「泣いている」、それだけで伝わる身体もある。
「いること」の力と「無条件の肯定」を忘れた人は、「いるだけでいいのか」とつぶやく。
だけど「いること」の能力は他の人々びとへの贈り物であり、無条件の肯定で「つながる」魔法の源なのだ。
「いること」や「声」でつながる魔法を学校でみかけると、子どもはほっとする。
この世界が誰にとっても安全であるという内部感覚を、周りの仲間と結びつけ、広げていける。
それをもたらすのが、知ちゃんややっちゃんのように、言葉をしゃべらない子であることは偶然ではない。
すべての子どもに、ふつう学級の魔法が必要な理由はここにある。
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