《レイヤマダの「津軽海峡冬景色」とポリヴェーガル理論》②
《言葉と声を聞き分ける》
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聞き慣れた歌詞が、途中で違う言葉に変わるとき、一瞬戸惑う。
「え、今なんて言った?」と聞き返したくなる。
だが、「馴染んでいる曲」の流れが、違和感を溶かし、聴き続ける姿勢を保つ。
つまり、私は「声と曲の流れ」のおかげで、「聴く姿勢」を止めないでいられる。
私がブレーキを踏まなかった、のではない。
それは、ふだんの私が、早々と「聴く姿勢」を止めるブレーキをかけている、ということを思い出させる。
「声のトーン、表情、曲の流れ」によって、自分の耳の傾け方、聞く姿勢は変わるということ。無意識にブレーキをかけている、場面がある、ということ。
そして、その姿勢の違いは、相手に「見えている」ということ。
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子どもの声を聞く、とは、言葉を聞く、だけでない、ことの意味がここにもある。
「この子の声を聴きたい」と願うなら、子どもに「話す」を求める前に、自分の「聴く姿勢」を見直そう。
私は、この子のどんな声を聴こうとしているのか。
私が聞きたい声だけを、子どもが選ばないように。(つづく)
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※(「レイヤマダ 津軽海峡冬景色」で検索すると、約60秒の映像が見つかるよ。)