逆らう話(その1)
「ふつう学級の就学相談会」で、いつも思うことがある。
「同じ話を聞いて、ふつう学級を選ぶ人と選ばない人がいる。それは、どうしてなんだろう。」
「子どもの気持ち」を考えれば、答えは一つだと思うのだけれど…。
子どもの気持ち以上に大切なことがあるだろうか。
子どもの気持ちは、「教育」の後でいいんだろうか。
子どもの気持ちは、18を過ぎてからでいいんだろうか。
そんなとき、ふとある母親の声が聞こえる。
「でも、それって、逆らうってことですよね」
あの時どう答えたのか、覚えていない。
私がまだ30代のころ――。
記憶が曖昧なのは、その言葉があまりに予想外だったから。
それは一つの答えを、私に教えた。
そうか、これって逆らうこと、なのだ。
「子どもの気持ちを大切にすること」
「無条件に子どもの側に立つ」ということ。
それは、「逆らう」ことだった。
逆らう?
何に?
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