《よく来たね》
【こどもはほんらい分けたがっていないというのは、大事にしなきゃいけない。
それを競争させることによって、順番をつける。
自分の位置をわきまえさせる。
いま、発達障害といわれて、特別支援学級に入る子も多いですが、そもそも日本の教育がそういう「ちがい」に――あえていうその「ちがい」に――、きちんと対応してこなかった。
発達障害に対する対応というのは、少し丁寧にこどもにつきあわなければならないのに、たとえば遅刻してくるこどもに、「遅刻はいけない」としかいえない。
朝起きられない事情があるならば、「よく来たね」といえばいい。
そういわれれば、ひょっとすると明日はもう少し早く来られるかもしれない。
そういう余裕が、いま教育現場にありませんね。】
◇
社会的養護の業界でも、「発達障害」という言葉ははやりことばで、「だから、大変だ」という言葉がついてくる。
そのあとに、必ず「専門家」や「心理職」がいないと難しい、という言葉がつづく。
でも、発達障害の子どもへの対応とは、「少し丁寧にこどもにつきあこと」につきる。
それだけのことだと、改めて気づく。
発達障害は難しい、つきあえない、という人は、他の子どもとも「少し丁寧につきあう」ことができていないだけなんじゃないかと思う。
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