《答え合わせ・その後のメモ》⑦
「一年生になることについて、この子はちゃんと分かっているかしら」という声を聞くことがある。
「子どもが本当に望んでいるのは何か」という迷いに、つけこまれての声。
でもサンタクロースについて「この子はちゃんとわかっているかしら」という声は聞かない。0歳でも1歳でも無条件にプレゼントは届く。子どもが分かっていようがいまいが、贈りたいおもいがある。
「悪い子には来ない」は聞くが、「ちゃんと理解していないと来ない」と脅す人はない。「ちゃんと」がどれくらいなのか、仏壇のある家にもなぜ来るのか分からないけど、そんなことより、子どもが分かっていようがいまいが、贈りたいものが、ある。
「サンタさん、くるかな?!」の心もち。節分なら、「ほんとに鬼が来たらどうしよう」という心もち。大人もちゃんと分かってないことは、日常にたくさんある。
保育園の年長さんになると、みんなが、あこがれ夢見る「いちねんせい」という音の響き。語られるときの祝福のトーン。その「いちねんせい」に、自分もなることへの期待と不安。ワクワクドキドキ。
子どもが分かっていようがいまいが、贈りたいものが、ある。
あなたは、世界のいいものを信じていい。人は信じられる。あなたはありのままで、ここにいてくれるだけでいい。そのままで、未来を信じていい、人間を信じていいよ、という、共通の子どもへの思いがある。