障害福祉課長さんも、当日、参加してくださる方向で調整していただいています。
現在、千葉県の後援申請及び、障害福祉課長さんの出席についても、前向きに進めていただいています。
8月31日には、事業所からhideの保護者へ、千葉県と柏市に提出した「指導事項改善状況等報告書」の内容についての報告と謝罪がありました。
5月の事故以降、幾度か話し合いを続けるなかで、hideさんの生活は落ち着いていることを改めて確認し、事件の対応の遅れ等についても率直に謝罪がありました。
10月の学習会に、事業所からも参加していただけるよう話し、これからも「障害のある人への人権侵害をなくすために」、協力して進めていくことを確認できました。
改めて、10月の学習会についてお知らせします。
10月29日、多くの方の参加をお待ちしています。
◇ ◇ ◇
≪学習会≫
『障害のある人への人権侵害を
なくすために』
2011年10月29日(土)1時半~4時半
場所:千葉市文化センター 9階会議室
(会場の都合で、障害者用トイレは3階のみです)
参加費:資料代として500円
講師:佐野武和さん
(ぽてとファーム事業団・代表理事 JIL人権委員長)
講師:土本秋夫さん
(ピープルファースト北海道 障がい者制度改革推進会議・委員)
報告:千葉県・柏市・hideさん・他(申請中)
主催:『障害のある人への人権侵害をなくすために』学習会実行委員会
後援:柏市
(千葉県・千葉市 申請中)
◇ ◇ ◇
学習会『障害のある人への人権侵害を
なくすために』
5月2日、柏市のhideさんが、ヘルパーに箒の柄で殴られ、生米を食べさせられるという虐待事件が起きました。hideさんは、知的障害者としては日本で初めて「他人介護料厚生大臣特別基準」を認定され、自立生活センターを利用しながら「一人暮らし」をしています。
hideさんは言葉を持たないため、自分から被害を訴えることはありません。今回は、虐待を目撃したヘルパーの通報があり、それを聞いた「親」が声をあげて、ようやく「虐待」が「明らか」になりました。虐待という「事実」があっても、それが「表現」される手段がなければ、「虐待」がないことにされます。
また、障害者が「暴れた」ということが、「原因」とみなされることもあります。児童虐待の加害者が「しつけ」という口実を使うように、高齢者虐待の加害者が「保護」という口実を使うように、障害者の場合にも「当事者の非社会的な行動」を止めるためという口実が使われます。
幼い子どもが「しつけ」か「虐待」かを、主張することはできません。認知症の高齢者が、「抑制」する必要のないことを、主張することもできません。同様に、言葉を持たない障害者が「暴れた」のではない、「攻撃」したのでもない、「自分のことを分かってほしかった」のだと主張することはできません。その結果、「言葉」をもつヘルパーの主張が通ることもあります。
今回の事件でも、事業所の「懲戒処分」の決定は、柏市の「解雇要請」後でした。言葉を持たない障害者が被害者になった場合には、警察への被害届も難しくなります。新聞記事の中身も、被害を受けた障害者に問題があったような表現が見られます。
(「…(hideさんが)興奮状態になり、夕食まで待つよう求めたヘルパーともみ合いになった。…男性は言葉が不自由で身長が約180センチあり、複数のヘルパーが交代で24時間態勢で介護していた」 [毎日新聞2011.6.16])
また「事件後」にどのような「改善策」が進められたのか、8月23日現在、事業所からも、市、県からも、保護者への説明はありませんでした。そこで、「情報公開」によって情報を得ようと考えましたが、子どもが成人している場合には、保護者だけで申請の手続きをすることはできません。今回の事件を通して、親や支援者が気づいたことは、障害者は「虐待行為」だけでなく、その後の「対応」にも苦しめられるということでした。(事業所が県・市に提出した『指導事項改善状況等報告書』について、事業所から保護者への説明が8月31日にありました。)
障害者虐待の問題は、「虐待行為」をなくすことはもちろんですが、それと同時に、いったん「虐待」が起こった後の、「対応」こそが問われます。「虐待事件」に加え、その苦しみを理解しない対応こそが、当事者のみならず家族を孤立させることになります。
今回のhideさんの事件を通して、私たちは、私たち自身の手で、被害にあった当事者や家族が、本当に安心して相談できる仕組みを考える必要性を感じました。6月に成立した「障害者虐待防止法」が、真に障害者の人権を守る対応につながるようにと願い、学習会『障害のある人への人権侵害をなくすために』を開催します。誰もが安心して暮らせる地域のつながりを、ともに考えましょう。
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