防止柵設置呼びかけ
(産経新聞 1月20日/木)
東京都内に住む全盲者を対象にしたアンケートで、約7割が駅のホームから転落した経験を持っていると回答していることが分かった。
今月16日には、JR目白駅(東京都豊島区)で、全盲の武井視良(みよし)さん(42)=同区北大塚=がホームから転落、電車にはねられて死亡する事故も起きた。
国は乗降客の多い駅に転落防止柵を設置するよう鉄道事業者に呼びかけているが、なかなか進んでいないのが現状だ。
アンケートを実施したのは「全日本視覚障害者協議会」(東京都新宿区)。対象は都内の全盲や弱視などの視覚障害者100人。うち50人が「転落の経験がある」と回答し、全盲者に限れば、66人のうち約67%にあたる44人が転落を経験したという。
国土交通省は、1日当たりの利用客が5千人以上の全国約2800駅を対象に、転落防止に効果的なホーム柵やホームドアを設置するよう鉄道事業者に呼びかけている。ホーム柵などがある駅では「転落による人身事故は皆無」(同省)というが、昨年3月時点で設置が完了しているのは449駅にとどまっている。
視覚障害者にとってホームは「欄干のない橋」「柵のない絶壁」と形容されるが、ホームスペースや費用などが壁となり、安全対策は進んでいない。
延べ約5万人の会員がいる「日本盲人会連合」の鈴木孝幸情報部長(54)は「周りにいる視覚障害者にきくと、転落経験があるのは実際はもっと多いと思う。慣れた駅でも気を抜いたり、人とぶつかったりするだけで方向感覚を失ってしまうようだ」と話す。
目白駅で死亡した武井さんは降車駅で寝過ごし、混雑の激しい池袋駅を避けて目白駅で乗り換えたところ事故に遭った。JR東日本は約500億円をかけ、山手線の全駅にホーム柵を設置する方針だが、設置完了は平成29年度の見込み。
鈴木氏は「他の乗客の方に『大丈夫?』と一声いただけるだけで、危険を避けられる。視覚障害者が集まる場所など、駅の地域性も考慮して、ホームドアを拡充してほしい」と訴える。
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