知事「扉開くこと可能」
重度知的障がい者 県立高受験で言及
2019年12月12日 05:00沖縄タイムス
重度知的障がいがあり、来春3度目の県立高校受験に臨む仲村伊織さん(16)=北中城村=について、玉城デニー知事は11日、先進地の事例を研究し「沖縄らしいインクルーシブ教育の扉を開いていくことは十分可能」との認識を示した。県議会一般質問で赤嶺昇氏(おきなわ)の質問に答えた。
玉城知事は、重度知的障がい者も高校で受け入れる神奈川県の事例を挙げ「あらゆる場面で障がいのある人もない人も均等にその機会を獲得できるのは、普遍的な権利という考え方を持つべきだ。SDGs(持続可能な開発目標)の根本的な考え方だと思う」と答えた。
平敷昭人県教育長は「高校では重度知的障がいの生徒の特性に応じた教育課程を提供できない」との従来の見解を改めて説明した。
入学・卒業する生徒がいる他県の事例については「大阪府に照会したが、具体的にどのような教育課程か明確な回答が得られなかった」と答弁。また、推測として「支援員を付けて、高校課程の履修が期待できると判断された生徒が入学したと考える」と話した。
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県教育長、「推測」で答弁 知的障がい者入学
琉球新報2019.12.12
大阪府教委は志願者が定員に満たない場合は障がいの有無にかかわらず全員合格させる方針を定めており、教育課程を履修できるかどうかで合否を判断していない。
質問者の赤嶺昇氏(おきなわ)は平敷教育長の回答を受けて「推測で言っているのか」と追及。平敷教育長は「はい。これは推測です」と認めた。
平敷教育長は琉球新報の取材に対し「大阪府が定員内不合格を出さないことは理解している。支援員が入れば履修できると思った生徒が普通高校に入学しているという意味だった」と述べた。県教委は大阪府教委に対して重度知的障がいのある生徒の高校での履修状況を照会しているが、明確な回答を得られていないという。
また、重度知的障がい者の普通高校入学について玉城デニー知事は「先進地の事例をしっかりと研究することによって、沖縄らしいインクルーシブ教育への扉を開いていくことは十分可能だと考えている」と前向きな姿勢を強調した。
県教委は、「特別な教育課程ができない中、学びが保障できない」として定員内であっても不合格にしているが、知事との考え方の違いも浮き彫りになった。
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