昨日、大事なことを書き忘れた。
私ははじめ、市役所の市民課やこども福祉課に行って、「行政の手続き」について話さなきゃと思って出かけた。
住民票等の支援制度は、はじめDV被害者やストーカー被害者など大人を対象に作られた制度なのだと思う。
だから、そもそも児童虐待の被害者への配慮がないのかもしれない。
(※これについて、何か情報があれば教えてください)
だから、私は、「制度」の中に、虐待された子どもへの配慮を含めてほしい、と考えて出かけた。
そして、一定、話は通じた。
窓口では、今回は書類の一部を記載しなくてもいい、と言ってもらえた。
福祉課でも、私の訴えていることはもっともだと理解してもらった。
後は、具体的に市や市議会に働きかけていくしかない。
でも、一日が終わって、私が思ったのは、「本当は、制度の話をしてるんじゃない」という思いだった。
私が、本当に、話したいこと。
私が、本当に、伝えたいこと。
それは、社会の制度や手続きの一つ、一つは、子ども(市民)のふつうの生活を守るために、あるものなんだから、
それが子どもに伝わるようにしたい。
ということだった。
◇
中卒なら、15才で養護施設を出て、「自立」することになる子どもがいる。
高卒でも、18才で養護施設を出て、「自立」することになる子どもがいる。
親や家族がいない子どもが、社会に出て、その後、何か困ったときに、どこに頼ることができるのか。誰に相談すればいいのか。
分からないまま大人になる子どもは少なくはない。
だから、私たち大人が関われるあいだにできることは、
具体的に行政の手続きを手伝うこと、ではない。
たとえば、住民基本台帳の支援措置を受ける時に、
その手続きを通じて、
「これはあなたを守るための制度であり、
私たちはあなたたちを守るためにいるのだ」
という信頼を伝えたいのだ。
少なくとも大人と被虐待の児童の書式は違う配慮があるべきだ。
そうした手続きひとつが、子どもに、この社会は信頼できる、ということを伝えることにつながるから。
そうして、私たち施設の大人や、市役所の大人を、「信頼してもいいかな」と思ってもらうことができれば、それは、その子の未来を支えることにつながる。
そう、私が話したいのは、手続きのことじゃなく、子どもの気持ちのことだった。
「これはあなたを守るための制度であり、
私たちはあなたたちを守るためにいるのだ」ということを、
子どもが、ふつうに受けとめることができるようにしたい。
私を動かす動機は、そういうこと、らしい。
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