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【DVD評】ダスティン・ホフマン主演作映画評

2023-05-09 | 論評、書評、映画評など
【DVD評】ダスティン・ホフマン主演作映画評
 この連休で、DVD映画を久々にじっくり見た。2本の映画だが、主演は共にダスティン・ホフマンだが、この文章を記すためwikiを見て驚いたが、1937年生まれで現在86だが、未だ訃報はなく健在の様子だ。

1969年公開 真夜中のカーボーイ(Midnight Cowboy) 役名:ラッツォ 公開時年齢33才
1979年公開 クレイマー、クレイマー(Kramer vs. Kramer) 役名:テッド・クレイマー 公開時年齢42才


 両映画の製作間隔は10年であるが、あまりの役柄の違いにまずは驚く。真夜中・・・の方は、未だ米国が黄金時代だが、ある意味社会の底辺層で生活する小狡い足が不自由な役柄を演じているのだが、物語の最後で、行きたかったマイアミ行きのバスの中で目を開いたまま病死する姿には涙を誘う。

 一方、クレイマー・・・の方は、離婚に伴う子供の養育権を妻と争うと云うテーマで、原題の「Kramer vs. Kramer」とは、主人公の名とクレイム(請求者の意から被告人を指す)を掛け合わせた表題の様だ。この作品は、表題はだいぶ以前より知ってはいたが、子供の養育権を争う裁判映画という概要程度で、さほど感心を持たず、今回初めてじっくりと見ることになった。

 現在の日本も同様だが、離婚を生じることは珍しくもない社会現象となっているのだが、一般例として養育者は母親がなる場合が多いのだろうと思える。この映画でも、裁判判決としては訴えた母親の勝訴となるのだが、物語のエンディングで、母親は自ら判決によらず養育権を父親に譲り渡すというところで終わる。

 それと、真夜中・・・の方は、米国でも最下層の風俗を描くのだが、クレイマー・・・の方は堅実な始めは仕事一途な中流夫婦の姿というバックグラウンドが大幅に異なるのだが、最近は高年齢から話題は薄れたが、一時はその役者ぶりへの高評価を得ていたところもあり、同一人物とは思えない程異なる役柄を見事に演じているところは、やはり凄い役者の一人と思えるところだ。

 しかし、クレイマー・・・の方は、事後と一途で家庭を帰り見ない中で、妻の離婚決意を知り、反省はしつつも決してめげずただ再婚を願うのではなく残された子に一生懸命愛情を注ぐ父親役を演じる姿は到底自分にはできまいと云う思いを持つところだ。残された子(これがまたカワイイ)も、決して母親が嫌いとかいうこともないのだが、父親との愛情の交換により、父との別れを寂しがるのだが、裁判には勝った母親もそのことを察知しつつ、自ら身を引くというエンディングも素晴らしいのだが、現実(日本では特に)には、レアケースの様に感じてしまう。


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