私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

鉄道博物館のこと

2008-09-13 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険

 私は、クルマ以外にも乗り物系の全般に、昔から強い興味を感じて過ごして来ました。そんなこともあり、私が東京勤務で千葉県市川市という東京至近の地に住んで居た9年間は、当時興味を持ち始めたパソコン関連の部品購入で秋葉原へ多く行くことがありましたが、そのついでに時々でしたが、秋葉原駅から割と近い交通博物館に立ち寄ることも何度かありました。この交通博物館ですが、鉄道を中心としたものでしたが、それ以外のクルマや航空機関連のことも若干あったりして楽しめたものでした。そして、博物館の建物自体も昔あった万世橋駅跡に作られたという古めかしいものでしたが、それは古風な愛着があるものであったと感じています。

 そんな昔も愛着ある交通博物館でしたが、昨年JR東日本が大宮に鉄道博物館を新装オープンさせたことに伴い閉鎖されてしまったということです。あの古めかしくて、展示物自体も手入れ不足もあったのかもしれませんが埃っぽくて、それなりの雰囲気がもう味わえないことを大変寂しく感じます。Railwaymuseum

 さて、昨年に新装オープンした鉄道博物 館ですが、その内には行きたいものだと思っていましたが、過日訪問できましたので、若干触れておきたいと思い記します。

 場所はJR大宮駅に程近い場所にあります。元々は、JRの大宮機関庫の一部敷地であった場所なのだと思います。建物も新しく、鉄道だけですけど、結構な展示車両がありました。彼の交通博物館にあった多くの鉄道車両達も、ほとんどが移設なされていたと感じます。

 展示スペースも広大で多数の車両がなかなか上手く配置なされています。でも、何故か違和感を持ってしまう部分も多くあった様に感じました。それは、展示されている車両が綺麗過ぎてしまうことがあった様に感じます。例えば、車両の塗装状態ですが、多分当時の新車を超えてツヤのあるウレタン塗装によるものであったのかもしれません。そして、台車部分等は本来油汚れで真っ黒で鉄粉だらけのものが、グレー色塗装で油っけ等微塵もない状態であったことも感じます。クルマのレストアというのもそうですが、新車同然の状態にレストアすることも良いのですが、ある程度やつれた風味も、それはそれで残っていた方が良い場合だってあるのです。話しは若干逸れますが、仕事絡みで知り合い、時々訪問させてもらって見たり聞いたりしている、あるレストア屋さんから聞いた話を記します。その時レストアされていたのは、ロータス社の古いフォーミュラカーでしたが、スペースフレームの一部に事故修理痕跡があるのですが、これはそのまま直さないでくれとオーナーから釘を刺されているのだと云うのです。その事故の痕跡が、そのクルマの歩んできた歴史を示すことが大事だし、そのことにオーナーは思い入れを持っていることを知ることであったと思います。まあ、私の通常業務で携わる事故修理で、そんな思いを持って修理がなされたらクレーム問題となる大変な話しですが、ものの考え方で180度異なる面白いことであると感じます。

 話しを元に戻しますが、この鉄道博物館の車両は、総て正真正銘の本物なのですが、本物っぽさがないものと感じます。私のものの見方がマニアック過ぎるのかもしれませんが、こんな図鑑を見る様な博物館でなく、本物を本物の歴史を持ったものとして知れる博物館である方が、魅力あるんじゃなかろうかというのが今回の総合感想なのです。

追記

 この鉄道博物館ですが、全体の展示コンセプト等は、もしかしたら電通や博報堂辺りに委託したのかもしれません。確かに一般受けする様に見栄え良く、上手くなされています。しかし、JR(旧国鉄)の歴史を乗り越えてきた人の苦労と云うのをもう少し出せたら、もっと良かったのだと思います。そのためには安易に宣伝屋に外注等せず、自らがそのことを考えなければできないことだと思います。しかし、これに似た事例は世の常です。上辺だけ見栄え良く取り繕い、中身がないというのは良く見聞きする話しでもあります。




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