自殺者が増えたと云われ始めてから久しく経ちます。自殺者統計における年間の自殺者は、それまで25千人台までで推移していたのが、1998年(H10)から一気に7千人以上が増加し32千人から35千人程度で現在まで推移しているのです。現在、年間の交通事故死者が6千人を切るまでに減少した一方、自らが死を選ぶ方々がこんなにも沢山居るのが現実なのです。
何故に現在は自殺者が増えたのか、その理由は種々あるのでしょう。経済不況、リストラ、能力給による差別化、パワーハラスメント、健康問題、家族問題、男女問題、等々と色々と思いつきます。自殺者は男性が70%を占め、年齢的には40代から60代前半までが最も多いと云われます。ところで、自殺者が多い曜日は月曜日であり、少ないのは土曜日であるそうです。月別では5月が一番多いと云います。首都圏に向かう早朝の通勤列車で、飛び込み自殺があった等は時々聞く話です。某有名国内トップ企業でも、自殺者が結構居るとも聞きます。保険業界でも(これは昔からですが)、リーディングカンパニーでは自殺者が比較的多いと云う噂話を聞く機会があります。
自己の過去の体験も含め想像しますと、人は何らかの窮地に追い込まれたり、精神的なショックを被った場合、急激に生きる気力が萎えてしまう場合があると思います。そして、ひたすら死への願望を抱く様になるのです。また、精神的な圧迫状態が長期間続くと、うつ状態やノイローゼ状態となり、ますます後ろ向きの発想は高まって行くと思います。そして、うつ病に至ると、睡眠が困難になったり浅くなったり、心身症として種々の肉体的な変調を来したりします。この様な変調を感じたり、何時も心が沈んでいるというのは、うつ症状の始まりの可能性が高いものです。このうつ症状は薬で改善することができますし、仕事中であれば一定期間業務を中断し、十分な睡眠を取りつつ心の休養を取ることで改善が図れ、新たな生への気力が蘇って来ます。もし、この様なうつ状態であると感じられる方は、早めに精神科クリニックでの受診(抵抗のある人もいるかもしれませんが多くの一般人が受診しています)を受けられることをお勧めするのです。