検察が起訴猶予としたとか、違和感を持つ事件が増えつつある様に感じる。ここでは、改めて司法制度における検察の起訴権および検察が起訴しなかった場合に有効となる検察審査会の概略を書き留めておく。
日本の場合、刑事事件の公訴権(裁判に訴える権利)を検察官が独占している。警察、消防、労基、海保など、様々な国家調査権限を持つ組織も、いざ訴訟を行おうとすると、検察に送致という手続きを経て、検察が同意した場合のみ、裁判手続きが行われることになる。
日本の刑事司法において、良く聞かれる話しで、それなら裁判官は不要ではないかという問題に、刑事事件の起訴有罪率が99.7とか99.8%となるということがあるが、これは制度的に種々の問題を内在していると感じるところだ。
ここで、検察段階で裁判の審判を行わないと判断する場合は不起訴となるが、以下の3つの理由による。
嫌疑なし
捜査の結果として、被疑者に対する嫌疑が晴れたという場合。
嫌疑不十分
捜査の結果、犯罪の疑いは晴れないが、裁判において有罪の証明が困難と考えられる場合。
起訴猶予
有罪の立証が可能でも、様々な理由を前提にして、検察官の裁量で不起訴とする場合。
ここで、先に述べた起訴有罪率が99%を超えると云うのは嫌疑不十分という動作が、完璧だと検察は主張するのだろうが、そもそも何処まで法的に許される捜査の範囲で証拠や自白を整えているのか不審を感じるところだ。もうだいぶ以前に検察制度改革などとして、捜査の可視化などとして尋問のビデオ記録などの可視化が一部事件(死刑や無期懲役などの重罪事件)のみH31年6月より施行されることになっている。
起訴猶予というのがあるが、そもそも嫌疑不十分か起訴猶予かの区分もあいまいな案件もあるだろう。明かな起訴猶予だとしても、検事が裁量で起訴か不起訴を行えるとなると、起訴すれば99%有罪となる実態から考慮すれば、検事が有罪、無罪の判定を行っているとも云える訳で、司法制度全体の公平、信頼を疑わせる。特に競う猶予について、検察は理由を客観明確に述べることも少なく、例えばR2年5月の常習賭け麻雀を行っていたことが露見し、辞任するに至った黒川検事長に対する起訴猶予など、多くの不信を生み出しているが当然のことだろう。
検察審査会
検察審査会(けんさつしんさかい)は、検察官が独占する起訴の権限(公訴権)の行使に民意を反映させ、また不当な不起訴処分を抑制するために地方裁判所またはその支部の所在地に設置される、無作為に選出された日本国民(公職選挙法上における有権者)11人によって構成される機関。
検察審査会法第39条の5により、検察審査会は、審査の後以下の3つの議決を行うことが出来るとされている。
起訴を相当と認める時は「起訴を相当とする議決」(起訴相当)
公訴を提起しない処分を不当と認める時は「公訴を提起しない処分を不当とする議決」(不起訴不当)
公訴を提起しない処分を相当と認める時は「公訴を提起しない処分を相当とする議決」(不起訴相当)
検察審査会法第27条により、議決は過半数(6人以上)で決するとされているが、「起訴相当」とする議決には、同第39条の5により8人以上(3分の2以上)の多数によらなければならないとされている。
【特捜部も恐れる検察審査会とは何か?「市民の代表」の判断に委ねられる黒川元検事長、菅原前経産相の「起訴猶予」処分‼】郷原信郎の「日本の権力を斬る!」#24 2020/07/22
https://www.youtube.com/watch?v=6OF5OnqBBiA
日本の場合、刑事事件の公訴権(裁判に訴える権利)を検察官が独占している。警察、消防、労基、海保など、様々な国家調査権限を持つ組織も、いざ訴訟を行おうとすると、検察に送致という手続きを経て、検察が同意した場合のみ、裁判手続きが行われることになる。
日本の刑事司法において、良く聞かれる話しで、それなら裁判官は不要ではないかという問題に、刑事事件の起訴有罪率が99.7とか99.8%となるということがあるが、これは制度的に種々の問題を内在していると感じるところだ。
ここで、検察段階で裁判の審判を行わないと判断する場合は不起訴となるが、以下の3つの理由による。
嫌疑なし
捜査の結果として、被疑者に対する嫌疑が晴れたという場合。
嫌疑不十分
捜査の結果、犯罪の疑いは晴れないが、裁判において有罪の証明が困難と考えられる場合。
起訴猶予
有罪の立証が可能でも、様々な理由を前提にして、検察官の裁量で不起訴とする場合。
ここで、先に述べた起訴有罪率が99%を超えると云うのは嫌疑不十分という動作が、完璧だと検察は主張するのだろうが、そもそも何処まで法的に許される捜査の範囲で証拠や自白を整えているのか不審を感じるところだ。もうだいぶ以前に検察制度改革などとして、捜査の可視化などとして尋問のビデオ記録などの可視化が一部事件(死刑や無期懲役などの重罪事件)のみH31年6月より施行されることになっている。
起訴猶予というのがあるが、そもそも嫌疑不十分か起訴猶予かの区分もあいまいな案件もあるだろう。明かな起訴猶予だとしても、検事が裁量で起訴か不起訴を行えるとなると、起訴すれば99%有罪となる実態から考慮すれば、検事が有罪、無罪の判定を行っているとも云える訳で、司法制度全体の公平、信頼を疑わせる。特に競う猶予について、検察は理由を客観明確に述べることも少なく、例えばR2年5月の常習賭け麻雀を行っていたことが露見し、辞任するに至った黒川検事長に対する起訴猶予など、多くの不信を生み出しているが当然のことだろう。
検察審査会
検察審査会(けんさつしんさかい)は、検察官が独占する起訴の権限(公訴権)の行使に民意を反映させ、また不当な不起訴処分を抑制するために地方裁判所またはその支部の所在地に設置される、無作為に選出された日本国民(公職選挙法上における有権者)11人によって構成される機関。
検察審査会法第39条の5により、検察審査会は、審査の後以下の3つの議決を行うことが出来るとされている。
起訴を相当と認める時は「起訴を相当とする議決」(起訴相当)
公訴を提起しない処分を不当と認める時は「公訴を提起しない処分を不当とする議決」(不起訴不当)
公訴を提起しない処分を相当と認める時は「公訴を提起しない処分を相当とする議決」(不起訴相当)
検察審査会法第27条により、議決は過半数(6人以上)で決するとされているが、「起訴相当」とする議決には、同第39条の5により8人以上(3分の2以上)の多数によらなければならないとされている。
【特捜部も恐れる検察審査会とは何か?「市民の代表」の判断に委ねられる黒川元検事長、菅原前経産相の「起訴猶予」処分‼】郷原信郎の「日本の権力を斬る!」#24 2020/07/22
https://www.youtube.com/watch?v=6OF5OnqBBiA