だいぶ以前に大型車のブレーキのことで、一見するとエアブレーキだが、各輪のホイール制動力は油圧を利用した空油圧複合ブレーキが多いことを記しました。今回は、今や乗用車の特に前輪では当たり前のごとく使用されているディスクブレーキが、何故か大型車には採用例が少ないかを想像を交えて記してみます。
貨物車でも2トンクラスまでは、フロントディスクブレーキがありますが、4トンクラス以上の貨物や大型バスなど、ディスクブレーキの採用車は、ほぼないといって良いでしょう。従来通りのドラムブレーキが継続して採用され続けています。この理由ですが、ドラムブレーキにある自己倍力作用(リーディング側がクサビ様に働く効果)が、ディスクブレーキにないことにより最大制動力が低下すること。制動力を生み出す摩擦板(シューやパット)の面積が、ドラム方式よりディスク方式が小さくなり、その寿命が短くなること。この辺りが主な理由かと想像しています。しかし、もっと重い新幹線やジェット旅客機でもディスクブレーキが採用されていますが、これらはゴム製タイヤの摩擦係数(0.7程度)を上回る(つまりロックさせる)までの制動力が求められないことによるのだろうと思います。
ご存じの通り放熱性の悪さを改良し制動時の高温での摩擦係数低下(フェード)を起こし難くしたのがディスクブレーキですから、ドラムブレーキは耐フェード性に劣るという大きな弱点を持ちます。従って、車重が重く従って運動量が大きい大型車では、排気ブレーキは当然として、ふそうのパワータードとか、リターダという補助ブレーキが装備されているのです。それでも、連続降坂で左右に連続したカーブが続く路でにおける大型車のハイペースでの走行は、フェードと隣り合わせの危険を含むものだと感じます。
なお、積荷容積を増せる利点から最近多く見られる小径タイヤを装着した低床4軸車では、ブレーキドラム径が小さくなり当然厚さを増しているのでしょうが、熱容量的にも厳しさは増して来るのだろうとも想像されます。
それと、パーキングブレーキの関係について、2000年前後以降の新車販売車については、国交省指導による中期ブレーキ規制の対象となる大型車(バス含む)のことに触れてみます。従来トランスミッション後端に装着されていたセンターブレーキ(駐車ブレーキ)が、左右後輪を独立してエアチャンバーの圧縮空気を抜くことにより、内部の強いスプリング力で制動力を得るように変更されています。これにより、サイドブレーキは引くか戻すか(ONかOFF)の問題であり、従来ともするとあり得た引きが甘いという問題が解消されることになったのです。
追記
写真は、ちょっと以前の日野セレガのスプリングブレーキバルブです。中期ブレーキ規制以前で、センターブレーブレーキも付いていますが、別途中期ブレーキ規制と同様のスプリングブレーキバルブも併用されているというものです。バルブのノブを押し込むとリヤブレーキのチャンバーエアが抜けてスプリングブレーキが作用し、引くとチャンバーにエアが入りスプリングを圧縮してブレーキが解除されます。当該部品は、ノブ軸部からのエア漏れが生じていて交換したものです。
なお、大型車では、純エアブレーキにしろ空油圧複合ブレーキにしろ圧縮エアを利用しますから、エンジン補機としてエアコンプレッサーが装着されています。走行中はMAX800~900KP程度に保たれる様にレギュレーションされており、エアの使用頻度に応じて、エアタンクが複数以上装備されています。大型バスでは、エアサスペンションがほぼ標準であり、しかも乗降の際比較的素早く車両前部を上げ下げできますから、大容量の独立タンクが装着されています。乗降扉もエア式ですが、独立タンクとして信頼度を上げている様です。 また、長期間の駐車やエア漏れが生じているなど、300KP以下のエア圧ではスプリングブレーキは開放されませんし、空圧倍力式のシフトの操作もできませんし、クラッチも重くて踏み込めません。当然、ウォーニングランプの点灯と、走り出そうとすると警報ブザーが鳴ります。
貨物車でも2トンクラスまでは、フロントディスクブレーキがありますが、4トンクラス以上の貨物や大型バスなど、ディスクブレーキの採用車は、ほぼないといって良いでしょう。従来通りのドラムブレーキが継続して採用され続けています。この理由ですが、ドラムブレーキにある自己倍力作用(リーディング側がクサビ様に働く効果)が、ディスクブレーキにないことにより最大制動力が低下すること。制動力を生み出す摩擦板(シューやパット)の面積が、ドラム方式よりディスク方式が小さくなり、その寿命が短くなること。この辺りが主な理由かと想像しています。しかし、もっと重い新幹線やジェット旅客機でもディスクブレーキが採用されていますが、これらはゴム製タイヤの摩擦係数(0.7程度)を上回る(つまりロックさせる)までの制動力が求められないことによるのだろうと思います。
ご存じの通り放熱性の悪さを改良し制動時の高温での摩擦係数低下(フェード)を起こし難くしたのがディスクブレーキですから、ドラムブレーキは耐フェード性に劣るという大きな弱点を持ちます。従って、車重が重く従って運動量が大きい大型車では、排気ブレーキは当然として、ふそうのパワータードとか、リターダという補助ブレーキが装備されているのです。それでも、連続降坂で左右に連続したカーブが続く路でにおける大型車のハイペースでの走行は、フェードと隣り合わせの危険を含むものだと感じます。
なお、積荷容積を増せる利点から最近多く見られる小径タイヤを装着した低床4軸車では、ブレーキドラム径が小さくなり当然厚さを増しているのでしょうが、熱容量的にも厳しさは増して来るのだろうとも想像されます。
それと、パーキングブレーキの関係について、2000年前後以降の新車販売車については、国交省指導による中期ブレーキ規制の対象となる大型車(バス含む)のことに触れてみます。従来トランスミッション後端に装着されていたセンターブレーキ(駐車ブレーキ)が、左右後輪を独立してエアチャンバーの圧縮空気を抜くことにより、内部の強いスプリング力で制動力を得るように変更されています。これにより、サイドブレーキは引くか戻すか(ONかOFF)の問題であり、従来ともするとあり得た引きが甘いという問題が解消されることになったのです。
追記
写真は、ちょっと以前の日野セレガのスプリングブレーキバルブです。中期ブレーキ規制以前で、センターブレーブレーキも付いていますが、別途中期ブレーキ規制と同様のスプリングブレーキバルブも併用されているというものです。バルブのノブを押し込むとリヤブレーキのチャンバーエアが抜けてスプリングブレーキが作用し、引くとチャンバーにエアが入りスプリングを圧縮してブレーキが解除されます。当該部品は、ノブ軸部からのエア漏れが生じていて交換したものです。
なお、大型車では、純エアブレーキにしろ空油圧複合ブレーキにしろ圧縮エアを利用しますから、エンジン補機としてエアコンプレッサーが装着されています。走行中はMAX800~900KP程度に保たれる様にレギュレーションされており、エアの使用頻度に応じて、エアタンクが複数以上装備されています。大型バスでは、エアサスペンションがほぼ標準であり、しかも乗降の際比較的素早く車両前部を上げ下げできますから、大容量の独立タンクが装着されています。乗降扉もエア式ですが、独立タンクとして信頼度を上げている様です。 また、長期間の駐車やエア漏れが生じているなど、300KP以下のエア圧ではスプリングブレーキは開放されませんし、空圧倍力式のシフトの操作もできませんし、クラッチも重くて踏み込めません。当然、ウォーニングランプの点灯と、走り出そうとすると警報ブザーが鳴ります。