4輪アライメントが再び注目されつつあるが・・・
昨今、4アライメントが再び注目を集める機運があると云う。
その理由だが、自動ブレーキ(衝突軽減安全ブレーキ)などの、将来の自動運転車へ結び付く技術革新の整備にある様だ。
添付図の正常に示す様に、車体と各輪のアライメントが正常ならば、直進する車両の縦の軸線と直進方向は完全一致する。しかし、仮に左後輪が何かにヒットして、左後輪にトーアウトの異常が生じた場合を示すが、図例のごとく車体の縦の軸線と直進方向にはズレが生じる。これをスラスト角(アングル)と呼ぶ。端的に云えば、こういうクルマは、車体が斜めになって直進すると云う状態と云うことになる。
ただし、個人的な私見とはなるが、前輪および後輪のサイドスリップテスター通過での横滑り量が十分適正値で、直進状態(ステアリング角でなく直進できる実際のステアリング角)での、左右ホイールベース寸法に差異がなければ、4輪アライメントまでを行うまでもない様にも感じられる。
この様な現象は、大昔(現在でも)から、後輪がリーフスプリングのリジットアクスルサスペンションで希に見られたものだ。その原因は、後輪に大きな衝撃を受けることや、リアアクスとリーフスプリングを固定しているUボルトの締め付けが緩かったりすると、積層されたリーフスプリング中央の仮固定をしているセンターボルトが折損し、方側リアアクスとリーフスプリングの位置関係が後方にズレ生じる場合が多い。
希に、この斜めになって直進走行するクルマ(トラック)を見ることあるが、この現象で極端にリヤアクスルが後方へズレると、プロペラシャフト前端のスリーブヨークがトランスミッションアウトプットシャフトから抜けて、振り回されたプロペラシャフトでフレーム内面だとか付属機器が変形する程度なら良いが、希に垂れ下がったプロペラ車と前端部が、路面に突き刺さると、あたかも棒高跳びの原理で車体がでんぐり返るという大事故に結び付く恐れがあるので大変危険な前触れ状態だと云うことを知っておきたい。
また、トラックなどではリアやアクスルの強度が強いので、まず生じる事例は少ないのだが、未だ後輪リーフリジットが主流の昔のクルマでは、方側後輪をヒットさせ、リアアクスルハウジング自体が曲損しているという事例もあった。
ところで、4輪アライメントテスターというのがカーアフターマケットで注目されだしたのは、1990年代初頭の頃だったと回想する。そして、そんなころ、各地に4輪アライメント計測できる機器を導入する整備・BP工場が多くなり、1台計測調整として2ないし3万円程度の料金請求を受ける事例がでてきた様に思える。そんな26年前の損保調査員(未だ40才前だった)頃の自ら作成した資料を参考までに添付する。
当時は測定器が高価で、その設備償却費のことも含め、高額測定を云われたことが思い出されるが、現在読み直しても、工場側の言い分を全否定するだけでなく以下の様な文面となっていることにも注目して戴ければ幸いである。
4輪アライメントテスターに限らず機器の消却コストは、一般的に工場費の中に含めて工賃単価に反映させるのが妥当と考えられます。しかし、工場側の立場からは、予め他の要因から工賃単価が決定されており、当該機器の償却コストを反映できないという言い分があります。 中略 ここでは、一応工場側の言い分を前提とした場合に、その妥当となる機器の償却コストについて考察してみることとします。この結果は右表に示す通り、機器価格を850万円とした場合に、当該作業1台当たりの金額は4千円となります。
【参考過去記事】
4輪アライメントにもの申す
2016-03-23 | 技術系情報
https://blog.goo.ne.jp/wiseman410/e/9e9c3d13ec50c0644758fe25c17dc7cf
昨今、4アライメントが再び注目を集める機運があると云う。
その理由だが、自動ブレーキ(衝突軽減安全ブレーキ)などの、将来の自動運転車へ結び付く技術革新の整備にある様だ。
添付図の正常に示す様に、車体と各輪のアライメントが正常ならば、直進する車両の縦の軸線と直進方向は完全一致する。しかし、仮に左後輪が何かにヒットして、左後輪にトーアウトの異常が生じた場合を示すが、図例のごとく車体の縦の軸線と直進方向にはズレが生じる。これをスラスト角(アングル)と呼ぶ。端的に云えば、こういうクルマは、車体が斜めになって直進すると云う状態と云うことになる。
ただし、個人的な私見とはなるが、前輪および後輪のサイドスリップテスター通過での横滑り量が十分適正値で、直進状態(ステアリング角でなく直進できる実際のステアリング角)での、左右ホイールベース寸法に差異がなければ、4輪アライメントまでを行うまでもない様にも感じられる。
この様な現象は、大昔(現在でも)から、後輪がリーフスプリングのリジットアクスルサスペンションで希に見られたものだ。その原因は、後輪に大きな衝撃を受けることや、リアアクスとリーフスプリングを固定しているUボルトの締め付けが緩かったりすると、積層されたリーフスプリング中央の仮固定をしているセンターボルトが折損し、方側リアアクスとリーフスプリングの位置関係が後方にズレ生じる場合が多い。
希に、この斜めになって直進走行するクルマ(トラック)を見ることあるが、この現象で極端にリヤアクスルが後方へズレると、プロペラシャフト前端のスリーブヨークがトランスミッションアウトプットシャフトから抜けて、振り回されたプロペラシャフトでフレーム内面だとか付属機器が変形する程度なら良いが、希に垂れ下がったプロペラ車と前端部が、路面に突き刺さると、あたかも棒高跳びの原理で車体がでんぐり返るという大事故に結び付く恐れがあるので大変危険な前触れ状態だと云うことを知っておきたい。
また、トラックなどではリアやアクスルの強度が強いので、まず生じる事例は少ないのだが、未だ後輪リーフリジットが主流の昔のクルマでは、方側後輪をヒットさせ、リアアクスルハウジング自体が曲損しているという事例もあった。
ところで、4輪アライメントテスターというのがカーアフターマケットで注目されだしたのは、1990年代初頭の頃だったと回想する。そして、そんなころ、各地に4輪アライメント計測できる機器を導入する整備・BP工場が多くなり、1台計測調整として2ないし3万円程度の料金請求を受ける事例がでてきた様に思える。そんな26年前の損保調査員(未だ40才前だった)頃の自ら作成した資料を参考までに添付する。
当時は測定器が高価で、その設備償却費のことも含め、高額測定を云われたことが思い出されるが、現在読み直しても、工場側の言い分を全否定するだけでなく以下の様な文面となっていることにも注目して戴ければ幸いである。
4輪アライメントテスターに限らず機器の消却コストは、一般的に工場費の中に含めて工賃単価に反映させるのが妥当と考えられます。しかし、工場側の立場からは、予め他の要因から工賃単価が決定されており、当該機器の償却コストを反映できないという言い分があります。 中略 ここでは、一応工場側の言い分を前提とした場合に、その妥当となる機器の償却コストについて考察してみることとします。この結果は右表に示す通り、機器価格を850万円とした場合に、当該作業1台当たりの金額は4千円となります。
【参考過去記事】
4輪アライメントにもの申す
2016-03-23 | 技術系情報
https://blog.goo.ne.jp/wiseman410/e/9e9c3d13ec50c0644758fe25c17dc7cf