私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

工数策定にはさまざまな考え方がある(レーティングという思考例)

2022-06-29 | コラム
工数策定にはさまざまな考え方がある(レーティングという思考例)
 今回、共同で時間計測を行ったと云うことだが、どうやらその作業は会場を自研センターとして、作業者は自研センター職員が行ったそうだ。それを、日車協と損保協会側が時間計測する。

 こういう時間計測というのは、競技会の時間を前提としてはならないことは理解できるだろう。つまり、ベテランで躊躇なく作業が追行できる程度なら良いが、正に競技会の精神状態と作業者は予め予行演習を積み重ね、一切の遅滞なく作業が完了したからと、その時間を前提とされてはたまらないということがある。

 こういう思想に作業時間の研究者としては、予め作業者の動作の速い遅いを別の手法でサンプリングしておき、計測時間を補正すると云うことが必用だと述べている。この考え方をレーティングという。

 また、一般に作業工数の策定は、マスプロダクションの短時間個数で繰り返し作業を前提としての、標準時間の計測なり設定が行われる。具体例では、新車の製造プラントでは、流れ作業で、一人の担当時間(タクトタイム)が60秒程度を前提に設定して、各担当タクトタイムの合わせ込みを行う。これにより、ベルトコンベアの動きに合わせて、各作業担当者はいたずらに余裕がありすぎてとか、その部門だけが時間が足りなくて何時も全体の流れを疎外するなどの弊害を生じることを防いでいる訳だ。

 ところで,この様な作業時間の研究者の記した本によれば、不安定作業の標準時間という表題で記した文面を以下に紹介してみよう。
 一般に10個以下の個別生産の場合は,類似品のみを専門的に扱う工場でないかぎり,作業はきわめて不安定にならざるを得ない.また主体作業時間に対する準備時間(これは元来不安定である)の比率が高いので,全体として不安定化してくる.この様な不安定な作業を標準化して,それに対する標準時間を求めることは不経済な場合が多い.そこで生産予定の決定や単価の決定に用いる時間は,経験的に見積時間として求めるのがふつうである.

 てなことや、指数のにしても工数にしても、作業時間をある尺度として決めることは請求者側もしくは支払者側の根拠の一つともなり必用なことでもあるのだが、マスプロダクションの思考を、一般の自整BP工場の作業の様に、まったく同じさ行を反復繰り返すのでない場合は、そのまま応用はできないことが判る。この様な指数に対する疑問を現在のところ1~11までまとめた記述したのが以下のリンクとなる。BP業の方やアジャスターの諸君は、この程度のことを理解しつつ、指数もしくは工数を使いこなして欲しい。

「損保」指数の疑問 その1-11【様々な疑問】リンク集
2022-06-16 | 問題提起
https://blog.goo.ne.jp/wiseman410/e/aefa374ffc6a5c875fe67f2fd808fcef


#指数(工数)の考え方事例


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。