私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

東京・小金井バス事故のこと

2016-01-08 | 事故と事件
 昨日7日の16時ちょい前に発生したという東京都小金井市のバス事故ですが、若干思うところを記してみます。

 事故は、いわゆる単独自損事故で、路外逸脱に分類されるところの様です。バスは路線バスですが、運行を終え、(たぶん車庫へ)回送中とのことです。従って乗客はおらず、運転車だけが乗車中で49才と伝えられる運転車も生命に別状はない様子です。事故原因は明確になっていない様ですが、「記憶にない」などとの記事からは、過労か居眠りに近い状態にあったのかもしれません。しかし、運行管理に関わる者として思うのは、得てして事故は運行を終え車庫への回送中とか車庫内で起こるものなのです。気の緩みが引き起こすのが人間なのでしょう。

 同バスは、ほとんどノーブレーキで衝突していると見受けられます。バスの前部損傷などから経験値で想像し、恐らく衝突前速度は40km/h程、その直前に信号柱を薙ぎ倒していますから、そこでの減速分を考慮して30km/h程でアパート様の民家に衝突したのではないでしょうか。幸いだったのは、運行中でなく乗客がいなかったこと、歩行者や他の車両と関わらずに済んだことでしょう。そして、バスの運転車が重傷を負うまでに至らなかったのは、アパートの壁剛性が低かったことによるのでしょう。これがコンクリートバリヤ様の剛性を持っていたなら、右オフセットですし、車体の大きさと比較して低い潰れ剛性しか持たないバスの運転者の生命は危うかったと思えます。

 しかし、保険会社の対物賠償は結構な額になると想像します。信号機そっくりで2~3百万、アパートについては、修復費用は1千万を軽く越える様に想像します。そして、入居者の代替住宅や引っ越し費用等々、合計数千万は要するのでしょう。車両保険は付保はされてないでしょうし、事故現状車の年式や走行距離数も不明ですが、新車納期が1年超の現状の中、修復を行うことも考えられます。しかし、バスの修理というのは、想像を超えて膨大な工数つまり費用を要するものです。まあ、少なく見積もっても5百万、上は1千万円といったところが想定されます。




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