昨年末に記したボルトの破断ですが、ボルトの破断面を観察すると、ざらついた脆性破壊の一部にわずかに起点となったと思わる疲労破壊様の部分があることに気づきます。疲労破壊とは材料の許容応力以下でも、繰り返しの応力により破壊が進行し破断に至るというものす。マクロ的には波打ち際様のビーチマークが観察されることが多いと云われていますが、必ずしも絶対生じる訳ではないようです。電子顕微鏡などのミクロ観察によれば、ストライエーションと呼ばれる縞模様が観察されるとのことです。
今回の件のボルトは、ざらついた脆性破壊の中に比較的なめらかな疲労破壊が内在していたというもので、この疲労は何れはさらに成長し破断するに至ったのであろうかとも想像されます。
今回の問題はともかく、とかく車両において肉厚の構造物や軸の折損が生じ、保険の扱いでいうところの「偶然外来の事故か」もしくは「故障損害によるものか」が問題になる場合があります。筆者も、過去にその様な幾多の事案を検討してきた訳でありますが、疲労破壊が原因ということになれば、偶然外来ではなく過去から積み上げられてきた故障損害に該当し保険の扱いでいう「保険金を支払わない場合」に該当するのが一般的です。
今回の件のボルトは、ざらついた脆性破壊の中に比較的なめらかな疲労破壊が内在していたというもので、この疲労は何れはさらに成長し破断するに至ったのであろうかとも想像されます。
今回の問題はともかく、とかく車両において肉厚の構造物や軸の折損が生じ、保険の扱いでいうところの「偶然外来の事故か」もしくは「故障損害によるものか」が問題になる場合があります。筆者も、過去にその様な幾多の事案を検討してきた訳でありますが、疲労破壊が原因ということになれば、偶然外来ではなく過去から積み上げられてきた故障損害に該当し保険の扱いでいう「保険金を支払わない場合」に該当するのが一般的です。