私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

バスの雨もれ

2018-09-25 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 大型バス系で、天井付近だとか、同ルーフサイドの冷房吹き出し口付近から水がしたたるという故障のことで記してみたいと思います。

 ちょっと以前のバスでは、エバポレーターが車両の下部にあり、冷気をダクトでルーフ上に導くものもあったのですが、現在ではエバポレーター(もしくはコンデンサーも)ルーフ上に装着されている場合が多いです。その装着位置も、以前は車両後方が多かった(路線系では今も多い様に思えます)が、昨今は前方についている場合(特に観光系では)が多いのではないでしょうか。この場合で、コンデンサーは外気に触れる必要上からルーフパネル外側に装着され、FRP製のカバーリングなどで覆われるのですが、その配管などの取り付け付近の外板の腐食による場合があると思います。

 一方、ルーフパネルの内側(つまり室内側)に装着されるエバポレーターですが、観光系の直動式(2つのコンプをエンジンで直駆動する式)では、ルーフサイドの左右に配置されますが、ここには温度低下により擬水した水を受ける樋状の構造と、前後に床下まで排水するホースがあります。真夏のエアコン稼働中で停車した大型バスを観察すると、車両の前後左右4ヶ所にエアコンの擬水は排出されることが判ります。このホース配管が埃などで詰まると、水受けの樋が溢れ(特にブレーキングで前方のエアコン吹き出し口が多い)から、水がしたたり落ちるという現象になります。

 これと似たような現象に乗用車のサンルーフ系の雨漏れがあるでしょう。サンルーフ(もしくはスライディングフーフ)は、その周辺のウェザストリップで完全に水密はできないことを承知で設計されています。従って、漏れた水は、サンルーフ取付のバスタブ様の凹部に流れ、その水を抜くために周辺4角に排出ホースが床下まで配管されています。このことを意識しないまま、ルーフだとかピラー関係の板金修理を行ったりすると、水が漏れるという不具合が生じるものです。ただし、スライディングルーフが採用され出した当初の頃、洗車をして程なくして急旋回などを行うと、水かがしたたり落ちるということがあったりしたのを経験したものです。これなどは排水容量の問題とかサンルーフ自体の漏れ量が多すぎるなど、設計的要因もあったと思い出します。


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