私の思いと技術的覚え書き

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整備工場のための保険

2020-08-25 | 車両修理関連
 整備工場というのは、結構リスクがあるものだ。それは顧客のクルマを預かり、その預かってる最中に何らかの失策で損壊させたり、保管の仕方が不足だとかで盗難されたりした場合に弁償しなければならない。

 また、今でも時々相談を受ける案件で、個客の預かりクルマで引き取り、納車、車検場への行き帰り、テスト走行中に事故をした場合、そのクルマに付保された保険(対人、対物)を使わせてもられると思っている工場だとか、自らら契約した車両に付いている保険に付いている契約に自動付保される他車運転特約で支払いできると思っている方がいるが、これらはモータービスネス業で保険は支払できない約款になっている。

 なお、損壊車両に車両保険が付保されていた場合は、契約者から請求があれば支払はできるが、代位(請求権が保険会社に移るという商法)という制度で、支払後に求償を受けてしまう。

 また、整備内容に瑕疵があって納車後に、ブレーキが効かない、車両火災が生じた、などの事故が生じた場合に、法令上の賠償責任(民法709条)負うだろう。

 ということで、対人、対物はモータービジネス業は約款免責だし、預かり車両自体も事実上保険は使えない。預かりクルマだけでも百万~高級車だとか特装車だと数千万ということもあり、リスクは大きい。

事例としては、
 近日生じた都内のタレントのコルベット旧車の火災事故は、その後の情報で整備が完了して間もなく(翌日)のことらしいが、整備内容との因果関係が明確になれば賠償の責を負うことになるだろう。また、同じく神奈川で生じたエンジノイル大量流出が、オイルパンドレーコックの締め付け不良による脱落だとすれば、これも賠償の責を負うだろう。

 つまり、別途整備工場向けの保険を契約しておく必用がある。これは、各保険会社で以下の様な名称で販売されているものだ。

・整備受託車自動車保険
 整備受託中に生じた、通常で云う対人、対物、搭乗者傷害保険に相当する賠償を担保。

・自動車管理者賠償保険
整備受託中に生じた、受託車両自体の損壊を保障。

・生産物賠償保険
 納車後に生じた整備内容の瑕疵による損害を補償。

 なお、日整連では、これらを含めセットとした共済保険を販売している。(日整連加入工場対象)


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