ここでは車検証に記された所有車と実態として所有・管理する者が異なるクルマに乗る人々のことを記してみます。
法人等で、車検証の所有車が法人名として登録され、使用されるというケースは多いものです。これは、その企法人等がその業務の一貫として使用するクルマであればよくある話しです。しかし、どう見てもその企業の業務とは関係ない様なクルマが法人名で登録されているという場合も時々見聞きすることです。具体的事例とすれば、単なる不動産屋さんがフェーラーリを法人名で登記している様な場合もあります。税務署は税務調査の一貫として、高級車の所有車を中心に調査を進める場合もある訳ですが、その様な中でこの様な事例が摘発される訳です。これはクルマに限らず、豪華クルーザーであったり高級別荘であったりする場合もあります。これら税務調査の中で、その様な行為に及んでいる経営者達は、これらは従業員の福利厚生のために使用しているのだ等と云う訳ですが、実態は押して知るべきものでしょう。
また、先の様な税務調査を逃れるために他人名義にしている場合も結構あると思います。その場合は、主に懇意な中古車屋さんを名義にしている場合が多くあります。つまり中古車屋さんは古物商の許可を受けていますから、商品としてのクルマを所有している場合は、購入して登録する際の取得税も課税対象とはなりません。みみっちい話ですが、こういった購入時の取得税を避ける目的で、中古車さんの名義でクルマを乗っている人も潜在的にあるはずです。私もだいぶ昔のことですが、取得税の問題や車庫証明を取る煩わしさから、懇意な中古車屋さんの名義で乗っていた時期がありました。
その他の事例として、その筋の方の車は過去から何度も見て来ましたが、100%本人名義にはなっていません。大体が女性名義であり、つまり内縁の妻に相当する者の名義である訳です。私は、カーディーラーに所属して、若干ですが営業に携わったこともあるのですが、その当時からクラウンの販売では女性名義のクルマには気をつけろと当時の先輩に云われたものでした。なお、彼らの中にはいわゆる金融物と云われる倒産企業等から流れ出したクルマに乗っているケースも多くあります。
追記
これはクルマの所有と税金に関わるエピソードとして記してみます。
ある自動車鈑金屋さんですが、スーパーカーのジャンルのクルマを所持していたたことで、税務調査を受けた際のことで話してくれたことがありました。その鈑金屋さん曰く『』高価格のスーパーカーといえども、俺はその価値を大きく超える様な大事故車を入手したんだ。しかもその修復は業務としてではなく、就業時間後の深夜までにおよぶ夜間や休日を利用して、何年もこつこつと趣味の世界として行って来たんだ!」と云う訳です。税務官がどの様に結論付けたのかまでは聞きませんでしたが、この鈑金屋さんの言い分として理解される部分も感じます。