当たり屋はいるのか?
下記記事は、タクシー運転車が云う当たり屋のことを記した記事だ。同じく、過去に聞いているタクシーの当たり屋相当の事案として、自動ドアになっているのを利用して、ドア閉め時に指を挟んだと主張して金を要求する事案が一時期業界で話題になったと云う記憶もある。
さて、過去において20年を越えて交通事故の調査員として、各種交通事故と触れあって来て感じることだが、いわゆる当たり屋という、巧く事故を生じさせ様とする不適な人物がいるのは、これまた確かなことだと実感している。実際のこれらの事案は、なかなか確証が掴めず、多くの場合疑いの範囲に留まるのだが、この様な狡を繰り返しおこなう者は何時かはバレる局面が訪れる者と思う。以下、私の体験して来た強い当たり屋疑義の事例を3つ以下に記してみたい。
①10年間に被追突事故を6、7回繰り返す運転車
ある追突事故時案の被害者なのだが、事故は道路沿いの店舗から急に出てきたと云う第3者(それが真実かどうかも怪しい)を避けようとして急制動を行った結果、追突事故になったというものだ。この被害者だが、損保および警察との交流会において、ある程度の事故の共有が行われているのだが、少なくとも過去10年の間に、被追突事故が判明しているものだけで6、7回繰り返されているという、ちょっと常識的には考えがたい事例だ。想像するに、この運転車は、絶えず後方接近車の車間距離を意識しつつ、ここで急制動すれば、止まりきれないことを承知で、事故を誘発させ続けて来たのだろう。事故自体は、さほど大きくない中ダメージ程度の事故だが、当然人身事故で、賠償金で生計を立ててきたという人物だろう。
②方側2車線のバイパスで夜間停止していて被追突される事故
この事故だが、方側2車線の閑散とした時間帯での国道バイパス路追越車線側で停止していた(被害者はそのことを否定している)被害者に、発見が遅れた契約車がかなり強く衝突し事故になったというものだ。被追突車は中高年のダンナと助手席には奥さんが乗者しており、当然人身事故であり、被害車両も年式が古いこともあり明らかな全損だ。
この事故だが、契約者の「あんな場所(バイパス路の下り直線の先の緩いカーブの先)にクルマが止めっているとは思わなかった」という言葉に、おかしいなという思いと、ダンナと奥さんのやけに年齢の離れた組み合わせと、かなり一方的もしくは隷属的な物腰の夫婦関係の様子などを感じ取りつつ疑問を生じたが、結論としては如何にせよ決め手がなく責めきれなくて賠償を行った訳だが、今でも不自然な事故だと思っている。
③これは、横浜新道近くの首都高速を舞台として、10数年前に体験したものだが、明らかに反社会的勢力(たぶん川崎のグループ)が関与している事故ではなく事件だろう。事件の対応は、以下の通りだ。まず、反社グループの乗る被害車両(多くがドイツ製高級車)で狙いを定めるクルマの後部を追尾する。この狙いを定めるクルマとは、主に水道・土木業などの2トンクラスのダンプもしくはトラックで、荷台に土中から撤去した泥が付いた土管、鋳鉄管などの廃棄物を露呈しながら走行しているものなのだ。そして、ある程度追尾した後、その追尾車は獲物車を追越で前方に入り込み停止させる。そして、「あんたのクルマから飛び散った砂粒などの飛散が酷く自車のボデーに大量に酷く当たり、たぶん相当のキズが生じている」と主張するのだ。そして、被害者は「携帯電話で社長を呼び出して欲しい」と要請し、社長が出ると修理工場に入れるので、修理費の賠償を確約させるのだった。この時の、状況を契約運転手より聴取すると、相手は見るからにカタギの人物ではない雰囲気が感じられたこと、またことの一見を見張る様に、近くに別の高級輸入車が止まっていることの供述燃えられた。
この件だが、複数の保険会社に聞いて見ると、極めて近似した事故が、他でも起きているということが判明した。また、後日、別件のレンタカー未返却事件で川崎の暴対課の刑事の聴取を受けた際、この件についても相談したのだが、なかなか決め手がないらしく、音信は途絶えてしまった。もしかすると、今でも類似の犯行が続けられている可能性はあるだろう。
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年末の「当たり屋」シーズンに要注意!?「現役タクシードライバー」が明かす“その手口”
11/15(月) 8:02配信 現代ビジネス
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緊急事態宣言が解除され、少しずつ会食の機会も増え、年末に向けてタクシー需要の期待が高まっている。しかし、当のタクシードライバーたちは売上げ回復に心躍らせながらも、その反面ある不安を抱いているという。現役ドライバーの二階堂運人氏が、年末に増える「当たり屋」事件について、事例を紹介しながら解説する。
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これが当たり屋の手口だ!
年末の忙しない時期になぜか当たり屋が増える。何かと入用が多い年の瀬、手っ取り早く金が手に入る犯罪だからかもしれない。
都内の大きな交差点で左のウインカーを出しながら信号待ちをしている早川亨(仮名・59歳)。信号が青に変わり左折しようにも横断する歩行者の波が途切れずなかなか前に進めない。
後部座席にはスーツ姿の若い男性の乗客を乗せている。その乗客は時折ため息をつき苛立ちを隠せない。早川もその仕草を見て余計にあせっている。その乗客には乗車時から急げと急かされていたのだ。
ようやく歩行者の波が途切れ車を進めようとした時に左後方で自転車が止まっている。先を譲ろうと待ったが信号を渡る様子がなかったので車を進めた。するとバンっ! と何かが車に当たる衝撃音。慌てて車を降りると先程左後方に止まっていた自転車が倒れていたのだ。
「痛えーな、どこ見て運転してるんだよ」
「す、すみません、お怪我は! 今すぐ救急車呼びます」
早川がスマホを手にして電話を掛けようとするが、男は制止する。
「救急車なんか呼ばなくいいよ。俺、時間がないから。おたくもお客を乗せているんだろ、だからいいよ」
「でも……」
「じゃ、あとで病院いくから治療費として3万くれればこの事はなしにしてやるよ。人身事故っていったら相当免許証にキズが付くんじゃないの。仕事できなくなるかもよ」
男は足を引き摺りながら早川に迫ってきた。
タクシーが狙われやすい理由
早川の免許の累積点数は残り2点であった。この人身事故により免停は確実になる。これによりタクシーの業務が暫くできなくなる。つまり収入がゼロになってしまうのだ。
男の言ったとおりに3万円を渡せば何のお咎めもなく仕事を続けることできる。乗客も先を急いでいる。早川が財布を取りに行こうとした時にその様子を見ていた女性が声をかけてきた。
「私が救急車を呼んでおいたから大丈夫。あなた警察に電話しなさい」
その女性の言葉を聞いた男は、引き摺っていた足はどこへやら、慌てて自転車を起こし、女性の制止を振り切り、睨みながらその場を去っていった。
その犯行は未遂に終わったが、曲ってくる瞬間に自ら当たりに行き、いかにも進路を塞がれたかのような演技をするーー巻き込みの瞬間を狙い、またドライブレコーダーの死角をついた犯行であった。このようにタクシーや運送会社のトラックなどの営業車だけを狙って犯行に及ぶ当たり屋が存在する。
なぜ、タクシーや運送会社のトラックを狙うか。その業界は乗客や荷主など時間に縛られ先を急ぐ人が多い。また、ドライバーにとって命に等しい免許証に傷が付く。場合によってはハンドルを握った仕事ができなくなる可能性もある。早川以外にもこの手の犯行に遭遇し、実際にお金を払ったタクシードライバーも多くいた。
後日談であるが、ほかのタクシードライバーが同じ男で同じ手口による事故にあった。犯行の手口は会社内で共有されていたので引っ掛かることはなかった。そのドライバーは、今後犠牲者を出さないために何とか捕まえたいと思ったが警察に電話をすれば逃げられる。
そこで機転を利かせ、会社に事故の対応を確認すると言って会社に掛けるふりを見せ警察に電話を掛けた。被害届も出ており、そこでようやく御用となった。
下記記事は、タクシー運転車が云う当たり屋のことを記した記事だ。同じく、過去に聞いているタクシーの当たり屋相当の事案として、自動ドアになっているのを利用して、ドア閉め時に指を挟んだと主張して金を要求する事案が一時期業界で話題になったと云う記憶もある。
さて、過去において20年を越えて交通事故の調査員として、各種交通事故と触れあって来て感じることだが、いわゆる当たり屋という、巧く事故を生じさせ様とする不適な人物がいるのは、これまた確かなことだと実感している。実際のこれらの事案は、なかなか確証が掴めず、多くの場合疑いの範囲に留まるのだが、この様な狡を繰り返しおこなう者は何時かはバレる局面が訪れる者と思う。以下、私の体験して来た強い当たり屋疑義の事例を3つ以下に記してみたい。
①10年間に被追突事故を6、7回繰り返す運転車
ある追突事故時案の被害者なのだが、事故は道路沿いの店舗から急に出てきたと云う第3者(それが真実かどうかも怪しい)を避けようとして急制動を行った結果、追突事故になったというものだ。この被害者だが、損保および警察との交流会において、ある程度の事故の共有が行われているのだが、少なくとも過去10年の間に、被追突事故が判明しているものだけで6、7回繰り返されているという、ちょっと常識的には考えがたい事例だ。想像するに、この運転車は、絶えず後方接近車の車間距離を意識しつつ、ここで急制動すれば、止まりきれないことを承知で、事故を誘発させ続けて来たのだろう。事故自体は、さほど大きくない中ダメージ程度の事故だが、当然人身事故で、賠償金で生計を立ててきたという人物だろう。
②方側2車線のバイパスで夜間停止していて被追突される事故
この事故だが、方側2車線の閑散とした時間帯での国道バイパス路追越車線側で停止していた(被害者はそのことを否定している)被害者に、発見が遅れた契約車がかなり強く衝突し事故になったというものだ。被追突車は中高年のダンナと助手席には奥さんが乗者しており、当然人身事故であり、被害車両も年式が古いこともあり明らかな全損だ。
この事故だが、契約者の「あんな場所(バイパス路の下り直線の先の緩いカーブの先)にクルマが止めっているとは思わなかった」という言葉に、おかしいなという思いと、ダンナと奥さんのやけに年齢の離れた組み合わせと、かなり一方的もしくは隷属的な物腰の夫婦関係の様子などを感じ取りつつ疑問を生じたが、結論としては如何にせよ決め手がなく責めきれなくて賠償を行った訳だが、今でも不自然な事故だと思っている。
③これは、横浜新道近くの首都高速を舞台として、10数年前に体験したものだが、明らかに反社会的勢力(たぶん川崎のグループ)が関与している事故ではなく事件だろう。事件の対応は、以下の通りだ。まず、反社グループの乗る被害車両(多くがドイツ製高級車)で狙いを定めるクルマの後部を追尾する。この狙いを定めるクルマとは、主に水道・土木業などの2トンクラスのダンプもしくはトラックで、荷台に土中から撤去した泥が付いた土管、鋳鉄管などの廃棄物を露呈しながら走行しているものなのだ。そして、ある程度追尾した後、その追尾車は獲物車を追越で前方に入り込み停止させる。そして、「あんたのクルマから飛び散った砂粒などの飛散が酷く自車のボデーに大量に酷く当たり、たぶん相当のキズが生じている」と主張するのだ。そして、被害者は「携帯電話で社長を呼び出して欲しい」と要請し、社長が出ると修理工場に入れるので、修理費の賠償を確約させるのだった。この時の、状況を契約運転手より聴取すると、相手は見るからにカタギの人物ではない雰囲気が感じられたこと、またことの一見を見張る様に、近くに別の高級輸入車が止まっていることの供述燃えられた。
この件だが、複数の保険会社に聞いて見ると、極めて近似した事故が、他でも起きているということが判明した。また、後日、別件のレンタカー未返却事件で川崎の暴対課の刑事の聴取を受けた際、この件についても相談したのだが、なかなか決め手がないらしく、音信は途絶えてしまった。もしかすると、今でも類似の犯行が続けられている可能性はあるだろう。
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年末の「当たり屋」シーズンに要注意!?「現役タクシードライバー」が明かす“その手口”
11/15(月) 8:02配信 現代ビジネス
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緊急事態宣言が解除され、少しずつ会食の機会も増え、年末に向けてタクシー需要の期待が高まっている。しかし、当のタクシードライバーたちは売上げ回復に心躍らせながらも、その反面ある不安を抱いているという。現役ドライバーの二階堂運人氏が、年末に増える「当たり屋」事件について、事例を紹介しながら解説する。
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これが当たり屋の手口だ!
年末の忙しない時期になぜか当たり屋が増える。何かと入用が多い年の瀬、手っ取り早く金が手に入る犯罪だからかもしれない。
都内の大きな交差点で左のウインカーを出しながら信号待ちをしている早川亨(仮名・59歳)。信号が青に変わり左折しようにも横断する歩行者の波が途切れずなかなか前に進めない。
後部座席にはスーツ姿の若い男性の乗客を乗せている。その乗客は時折ため息をつき苛立ちを隠せない。早川もその仕草を見て余計にあせっている。その乗客には乗車時から急げと急かされていたのだ。
ようやく歩行者の波が途切れ車を進めようとした時に左後方で自転車が止まっている。先を譲ろうと待ったが信号を渡る様子がなかったので車を進めた。するとバンっ! と何かが車に当たる衝撃音。慌てて車を降りると先程左後方に止まっていた自転車が倒れていたのだ。
「痛えーな、どこ見て運転してるんだよ」
「す、すみません、お怪我は! 今すぐ救急車呼びます」
早川がスマホを手にして電話を掛けようとするが、男は制止する。
「救急車なんか呼ばなくいいよ。俺、時間がないから。おたくもお客を乗せているんだろ、だからいいよ」
「でも……」
「じゃ、あとで病院いくから治療費として3万くれればこの事はなしにしてやるよ。人身事故っていったら相当免許証にキズが付くんじゃないの。仕事できなくなるかもよ」
男は足を引き摺りながら早川に迫ってきた。
タクシーが狙われやすい理由
早川の免許の累積点数は残り2点であった。この人身事故により免停は確実になる。これによりタクシーの業務が暫くできなくなる。つまり収入がゼロになってしまうのだ。
男の言ったとおりに3万円を渡せば何のお咎めもなく仕事を続けることできる。乗客も先を急いでいる。早川が財布を取りに行こうとした時にその様子を見ていた女性が声をかけてきた。
「私が救急車を呼んでおいたから大丈夫。あなた警察に電話しなさい」
その女性の言葉を聞いた男は、引き摺っていた足はどこへやら、慌てて自転車を起こし、女性の制止を振り切り、睨みながらその場を去っていった。
その犯行は未遂に終わったが、曲ってくる瞬間に自ら当たりに行き、いかにも進路を塞がれたかのような演技をするーー巻き込みの瞬間を狙い、またドライブレコーダーの死角をついた犯行であった。このようにタクシーや運送会社のトラックなどの営業車だけを狙って犯行に及ぶ当たり屋が存在する。
なぜ、タクシーや運送会社のトラックを狙うか。その業界は乗客や荷主など時間に縛られ先を急ぐ人が多い。また、ドライバーにとって命に等しい免許証に傷が付く。場合によってはハンドルを握った仕事ができなくなる可能性もある。早川以外にもこの手の犯行に遭遇し、実際にお金を払ったタクシードライバーも多くいた。
後日談であるが、ほかのタクシードライバーが同じ男で同じ手口による事故にあった。犯行の手口は会社内で共有されていたので引っ掛かることはなかった。そのドライバーは、今後犠牲者を出さないために何とか捕まえたいと思ったが警察に電話をすれば逃げられる。
そこで機転を利かせ、会社に事故の対応を確認すると言って会社に掛けるふりを見せ警察に電話を掛けた。被害届も出ており、そこでようやく御用となった。