ここではある会社のあるアジャスター(以下彼と記す)の目を通した、出世するアジャスター像に思うことを記して見たいと思います。
まず、彼の思想のことを若干記してみましょう。その思想は、理想主義が過ぎるところがあったと思わざるを得ないものです。その理想を端的に示す事例として、ドイツでのギルドという企業組織を超えた職業別組織が作れないだろうかという思いを持っていたのだと云います。
彼は、某損害調査会社の本社に所属してたことがあったと云います。この本社や、その他部署においても、積極的に他社アジャスターの中でも前向きの仲間に呼びかけ、種々の活動を行って来た様と云います。例えば、パソコンが現在の様な業務環境として極当たり前となる以前の導入期の頃、他社と分担して塗膜のデータベース検索ソフトウエアの作成を行ったこともあったと云います。
そんな彼は、本社で10年弱近くを過ごしながら、その間に各種の技術研修を行ったり、全国各地をレポート審査等の目的で巡回する活動して来たと云います。ですから、それから数十年を経た現在に至っても、ある会社の所属アジャスターの半数以上と直接触れ会い、その技量を知ると彼は云います。そんな彼から、出世したアジャスター像の事例を聞きましたが、それは決してアジャスターだけの世界に限ったことではなく、世間にありがちなことではあるとも思いますが、同職の者として残念なことと感じられます。それでは、以下に彼から聞いた、出世したアジャスター(ここでは仮にQとして記す)のことを記してみます。
Qは現在アジャスター職としては最上位職と云える部長となっています。彼は、本社勤務時代からQが平アジャスター時代から、そのレポートを見たり触れ合って来たと云います。そして、Qの技術力が中程度以下であり、話す内容(意見)に論理を欠き、いったいなにを言いたいのが判りにくく、文書作成能力もほとんどないに等しいと感じて来たと云います。ところが、ある時期からQはある地域の現場の管理職に登用されると共に、年々上位職に昇進していったのでした。当時の彼の思いからすれば、なんでQが管理職になるんだ、もっと適任者が居るだろうにという思いが生じ、大きな違和感を持ったと云います。
ところで、後年知ったと彼は云いますが、彼の所属するある会社において、労働組合がストを行うに至ったことがありますが、その裏話に若干触れてみます。当時の組合組織は、それ以前の年々の不満も高まった中での危機感が背景にあったのかも知れませんが、ある意味最強の執行部三役メンバーが取り仕切っていました。その中に平執行委員としてQも参加していました。
そんな中、ある年の春闘闘争において労働組合としての最大の武器であるスト権を振りかざし、経営者と対峙したのでした。しかし、執行部三役は執行部内においても情報の流出は起こりえることを認識し思考していました。労働組合におけるスト権ですが、その行使においては、当然に血も流れることになります。ストを行使すれば、経営者は賃金カットを行いますし、それが長引けば背に腹は替えられなくなり、組合の分裂にすら至る事態すら想定されるからです。従って、執行部三役の中では、今回の会社との闘いの中で、ストも絶対辞さずと言い切ってはいましたが、限界を見極め直前回避をするというのが本音だったと云うのです。
従って、三役は執行部内においては、今回交渉ではストを辞さずと言い切り、それを会社への最大の武器として徹底していました。ところが、このことを知る平執行員であったQは、自らの地位向上への思いもあったのだと思いますが、その情報を会社側に流出させていたのでした。それと、想定されることですが、そもそもQが組合委員に参加したのすら、会社側の意向(いわゆるスパイ)としての使命を帯びていたのかもしれません。
以上の経緯の中、会社側はストを行う意志は絶対だと信じ、受けて立たざるを得ないと云う局面に立たされたのでした。そして、そこに至った組合三役としては、苦渋の思いも感じる中、実際のストを実行せざるを得なくなったのでした。その後、Qは組合組織を離れますが、その後の管理者への登用から、次々と上位職位への上昇を続けて行ったのでした。
なお、Qは親会社職員(力量にない場合に限る)にすら、かなり粗暴な口調を吐いたりもし、欠点も目立つのですが、何故にそこまでQが重用されるのかということを補足します。これにはQの背後に存在する大物親会社職員の存在があるのでした。この大物親会社職員は、損害調査部門の出身としては珍しく、親会社役員にまで上り詰めた大物でした。でしたと云うのは、本年の役員改選により突然、その大物役員は解任されてしまったからなのです。それ以前は、その大物役員は近い将来社長にまで登り詰めるのではないかとさえ噂されていたのですから、彼も驚いたものでした。これは噂でしかありませんが、ある会社の大株主でもある某関連団体に嫌われた様だとか聞きます。
以上記して来ましたが、最後に上昇志向をお持ちのアジャスター諸君に皮肉を込めて伝えたいことを記します。上昇志向の希望を叶えたいのなら、力量のある職員に傅(かしずく)くこと、そして労働組合で適度に活動することが早道であることは間違いないことであると思います。
まず、彼の思想のことを若干記してみましょう。その思想は、理想主義が過ぎるところがあったと思わざるを得ないものです。その理想を端的に示す事例として、ドイツでのギルドという企業組織を超えた職業別組織が作れないだろうかという思いを持っていたのだと云います。
彼は、某損害調査会社の本社に所属してたことがあったと云います。この本社や、その他部署においても、積極的に他社アジャスターの中でも前向きの仲間に呼びかけ、種々の活動を行って来た様と云います。例えば、パソコンが現在の様な業務環境として極当たり前となる以前の導入期の頃、他社と分担して塗膜のデータベース検索ソフトウエアの作成を行ったこともあったと云います。
そんな彼は、本社で10年弱近くを過ごしながら、その間に各種の技術研修を行ったり、全国各地をレポート審査等の目的で巡回する活動して来たと云います。ですから、それから数十年を経た現在に至っても、ある会社の所属アジャスターの半数以上と直接触れ会い、その技量を知ると彼は云います。そんな彼から、出世したアジャスター像の事例を聞きましたが、それは決してアジャスターだけの世界に限ったことではなく、世間にありがちなことではあるとも思いますが、同職の者として残念なことと感じられます。それでは、以下に彼から聞いた、出世したアジャスター(ここでは仮にQとして記す)のことを記してみます。
Qは現在アジャスター職としては最上位職と云える部長となっています。彼は、本社勤務時代からQが平アジャスター時代から、そのレポートを見たり触れ合って来たと云います。そして、Qの技術力が中程度以下であり、話す内容(意見)に論理を欠き、いったいなにを言いたいのが判りにくく、文書作成能力もほとんどないに等しいと感じて来たと云います。ところが、ある時期からQはある地域の現場の管理職に登用されると共に、年々上位職に昇進していったのでした。当時の彼の思いからすれば、なんでQが管理職になるんだ、もっと適任者が居るだろうにという思いが生じ、大きな違和感を持ったと云います。
ところで、後年知ったと彼は云いますが、彼の所属するある会社において、労働組合がストを行うに至ったことがありますが、その裏話に若干触れてみます。当時の組合組織は、それ以前の年々の不満も高まった中での危機感が背景にあったのかも知れませんが、ある意味最強の執行部三役メンバーが取り仕切っていました。その中に平執行委員としてQも参加していました。
そんな中、ある年の春闘闘争において労働組合としての最大の武器であるスト権を振りかざし、経営者と対峙したのでした。しかし、執行部三役は執行部内においても情報の流出は起こりえることを認識し思考していました。労働組合におけるスト権ですが、その行使においては、当然に血も流れることになります。ストを行使すれば、経営者は賃金カットを行いますし、それが長引けば背に腹は替えられなくなり、組合の分裂にすら至る事態すら想定されるからです。従って、執行部三役の中では、今回の会社との闘いの中で、ストも絶対辞さずと言い切ってはいましたが、限界を見極め直前回避をするというのが本音だったと云うのです。
従って、三役は執行部内においては、今回交渉ではストを辞さずと言い切り、それを会社への最大の武器として徹底していました。ところが、このことを知る平執行員であったQは、自らの地位向上への思いもあったのだと思いますが、その情報を会社側に流出させていたのでした。それと、想定されることですが、そもそもQが組合委員に参加したのすら、会社側の意向(いわゆるスパイ)としての使命を帯びていたのかもしれません。
以上の経緯の中、会社側はストを行う意志は絶対だと信じ、受けて立たざるを得ないと云う局面に立たされたのでした。そして、そこに至った組合三役としては、苦渋の思いも感じる中、実際のストを実行せざるを得なくなったのでした。その後、Qは組合組織を離れますが、その後の管理者への登用から、次々と上位職位への上昇を続けて行ったのでした。
なお、Qは親会社職員(力量にない場合に限る)にすら、かなり粗暴な口調を吐いたりもし、欠点も目立つのですが、何故にそこまでQが重用されるのかということを補足します。これにはQの背後に存在する大物親会社職員の存在があるのでした。この大物親会社職員は、損害調査部門の出身としては珍しく、親会社役員にまで上り詰めた大物でした。でしたと云うのは、本年の役員改選により突然、その大物役員は解任されてしまったからなのです。それ以前は、その大物役員は近い将来社長にまで登り詰めるのではないかとさえ噂されていたのですから、彼も驚いたものでした。これは噂でしかありませんが、ある会社の大株主でもある某関連団体に嫌われた様だとか聞きます。
以上記して来ましたが、最後に上昇志向をお持ちのアジャスター諸君に皮肉を込めて伝えたいことを記します。上昇志向の希望を叶えたいのなら、力量のある職員に傅(かしずく)くこと、そして労働組合で適度に活動することが早道であることは間違いないことであると思います。