私の思いと技術的覚え書き

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大型バス系の車体腐食について

2016-04-12 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 予てより大型バスにおいて車体腐食を要因としたサスペンションアームの脱落などについて、注意喚起がなされているところです。国交省の自動車不具合情報・ホットラインの一覧を眺めても、フロントサスペンションアームの脱落が事故に結びついている事例が何例か見受けられます。しかも、メーカーとして三菱が目立つというのは、どういうことなのだろうかと気になるところです。

 何れにしても大型バスは車両価格の高額さから考えても、20年を超える長期に渡り使用されるものであり、現在のカチオン電着塗装以前の車両も依然多く使用されている実態にあります。しかも、マイクロバスクラスの様にトラック様の厚板のシャシフレームにボデーが架装されているものでなく、フレームは車体前後のサブフレーム様の構造であり、主な上下曲げ過重はサイドパネルと内部のトラス構造で負担し、残りはスケルトン構造と称する主に各パイプをトラス状に組み上げたものであり、その板圧もいいとこ2mm程度までと、結構薄板な華奢な構造であることが実態です。

 ある整備工場で、三菱ふそうの小型バスでしたが、フロントのエアスプリング車で、車高が落ちてしまうというトラブルで入庫していた事例を紹介してみましょう。驚いたことにエアスプリング上部の過重を受け止める車体構造に大幅な腐食が生じており、この結果前部過重を受けきれなくなり、車高が低下していたという実例を垣間見ました。

 バス事業の整備管理者は、この様なバス特有の車体構造を熟知し、サスペンションアームなど構成部品そのものの部品劣化に留意するのは当然のこと、その取り付け相手部位や、サスペンションスプリング上部の車体の腐食や亀裂といった、いわゆる車体そのものの劣化に注意を向ける必要があるのでしょう。


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