アジャスターとは「下人」であるというのは、ある先輩が私に云った心に響く言葉であります。しかし、そのことを判らない能天気な者が増えつつあるのだろうと思い嘆くのです。
この「下人」たるアジャスターですが、決して表舞台に立つことは許されず、何時も最前線で人柱として戦うのが役目を宿命付けられたものであろうと感じます。
しかし、今や「下人」の中には、自らがそのことを認識せず、中には「上人」になったつもりの勘違いした者(主にマネージャー役に多い)が増えつつある様に感じられます。
但し、私は「下人」であることを恥じたこともないし、むしろ私には理解できないプライドだけ高く、最近流行の言葉で云うところのソリューション力(問題解決能力)に欠けた、ゼネラリストと称する者達より、余程ましと思っているのです。
宮崎学氏は著作(法と掟と)で、差別の問題について、被差別民を養護するつもりはさらさらないが、彼ら(被差別民)に、特権意識が生まれるのは当然であろうと記しています。つまり、我ら「下人」も、その様な自己認識を強く再認識しつつ、その権利を主張して行く必要があるのだと思います。今やコンプライアンス最優先の時代であり、責め手は幾らでもあるはずなのです。