私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

新旧86から思う

2016-10-17 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 今日のこと、新旧86の並んでいるのを見て、ちょいと感じていることを記してみる。
 デザイン的には、新旧においてモチーフを引き継いでいる訳もなく、単に呼称やコンセプト的なイメージを踏襲したクルマだろう。新型(MC前)は、何度か軽いドライビングをしているが、まったくの私見たるインプレッションとして以下に記す。

 新型86は、スバルが開発(といっても主導はトヨタだろうが)し、生産するFRスポーティカーだという知識は持っているが、果たしてその走りはどうなのか、期待を持ちつつ走り始めた。加速時はエキゾーストサウンドというより、デザイン(演出)された吸気音が耳に付く。昔のソレックスキャブでエアクリを弁当箱に替えた程ではないが、結構良い感じだ。エンジンレブ・リミは7,500rpmと4AGと比べると若干低いが、キッチリで燃料カットが働く。もう少し上でカットしてもいいんじゃないのかとも思うが、信頼性などに不安をあるのだろうか。それと、この水平対向4気筒だか、スバルファンには悪いが、どうも高回転でザラザラした感じで廻り、直4と比べたメリットは正直まったく感じらない代物だ。これが水平対向でも6気筒となれば、直6と同様に一次振動は完全バランシングで、シューンと滑らかに高回転まで廻す気になるのだろうが・・・。

 トランスミッションだが、乗ったのはどれも残念ながらATだ。たぶんアイシンAW製だと思われるこのATだが、当然マニュアルモード+パドルシフト付きだ。シフトレスポンスは、まあまあと云う感じだが、気に入ったのはマニュアルモードにしたときは、ほぼ全域ロックアップされることだ。これで、MT同様のダイレクト感を得ようということだが、ここはATとしては良い感じに仕上げたと思う。しかし、MTの小気味良さや、操っているという楽しみには、遠く及ばないのであるが・・・。

 その他、フロントウインド越しに見る前景のことについて触れてみる。まず、前にも幾度か記して来た急傾斜フロントウインドみたいに、このクルマはフロントウインドウが傾斜していない。その点で、右前方の視界も良好だし、これならワインディング路の特に右タイトコーナーも攻め込むことが容易な視界だ。

 もう一つ、この86もフロントフェンダーの盛り上がりが、フロントウインド越しに見える訳だが、この様な視界感というのは個人的に好きだ。ポルシェ911しかり、BMWミニしかりだ。但し、86の盛り上がりはボリューム感がなさ過ぎと感じられる。外装デザインとして、もっとフロントフェンダーをボリューム感を持ったものにすればとも思うが、それにはボンネットラインを下げるか、ベルトラインを下げる必用があるだろう。水平対向エンジンだから、もっと思い切ってボンネットを下げられないものかとも思うのであるが・・・。

 ボンネットを開きエンジンルームを覗いてみると、予想通りと云うべき、ボンネットラインからエンジン本体までの隙が大きい。これならフェラーリディノ246GTや911みたいに低いボンネットラインで、左右のフェンダー部がアーチ状に盛り上がったデザインとすることができる様に思える。但し、ラジエターやコンデンサーは、高さをさらに抑えた横長のものとし、同一面積を確保することや、オルタネーターやコンプレッサーなど補機類の位置を下げる工夫も必用になってくるだろう。

 そして、観察していると、水平対向なのに何故かクランク位置が高い様に思える。ネットで同型車のベアエンジンの写真を見て、その理由が判った。エキゾーストマニホールド(+コンバーター)の取り回しを、オイルパンの下で行っているからなのだ。こういうのこそ、ディアルコンバーター+エキゾーストエンドまでディアルで作ればいいのに、排気管だけディアルにして、ニセモノめという思いを持つのだ。

 同じく水平対向エンジンに拘り、長年作り続けている911(997カレラ)のエンジン下部の写真を見ると、狭い空間をコンバータ+メインマフラーとクロスさせながら、エンジンを持ち上げることなく、完全なディアルエキゾーストを成立させている。まあ、1500万のクルマと300万のクルマを比較するのも、コスト要件的に酷なことなのかも知れないが・・・。





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