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トヨタに続きホンダでも不正車検が摘発

2022-06-24 | 問題提起
トヨタに続きホンダでも不正車検が摘発
 そもそも、当ブログ4/15付けの「トヨタに限らず不正車検多発問題・国交省への意見」でも記しているが、昨年のトヨタの車検不正の多発があったが、今年(2022年)3月単月で不正車検摘発が15件という急増していることがある。この3月の15件だが、昨年の同月は6件であり明かな異常多発であるが、15件中の14件がディーラーということがある。これは何を示しているのか?

 これは、昨年のトヨタの反省文とての「整備要員の環境だとか入庫のコントロールの不適切など」と結論付けているが、それはあえての付随的な要因を上げていると考えざるを得ない。

 トヨタ以外の主にディーラーで不正車検が多いだろうことは予想ができていた。それは何故かと云うことだが、今回の下記記事でもそのことは触れられてないが、私の見るこころ、およそ一般整備工場に比べ、ディーラーの検査員の地位(発言力)が低いことがあると確信している。つまり、検査員という職種は、国から検査という業務の委嘱を受けたみなし公務員の立場なのだが、そんな地位や権限はまるで失わされてしまっていることがあるだろう。

 それと、トヨタにも存在するだろうが、ホンダディーラーは歴史が浅いと云うか、元々一般整備工場がディーラー化しただけの、俄作りの工場が多いこともあるが、派遣などの非正規整備員の比率が高いこともあると思える。こういう環境下において、およそチームワークが取れず、出来高払いみたいな環境で業務が進められると、モラル低下が顕在化し易いと云えるだろう。

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なぜ不正車検が起きたのか!? 関東運輸局から車検指定取り消しとなったホンダカーズ東京中央王子店の闇とは?
ベストカーWeb 6/24(金) 11:45配信
 最近のトヨタに続きホンダでも、国内の自動車ディーラーで不正車検が行われた。国土交通省関東運輸局が今年5月31日、ホンダカーズ東京中央王子店に対し、民間車検の指定取り消しを行っている。

 今回の事例では、サイドスリップ検査(適切にクルマが直進するかを確かめる検査)やブレーキ検査、スピードメーターの検査において、必要な作業を行っていなかった。対象台数は1187台にのぼったという。

 なぜ、こうした不正が起きるのか。ホンダディーラー営業だった筆者が、近年相次いでいる不正車検問題が起こる背景について考察した。文/木村俊之

■単価値下げが目的の「サービス品質向上」はやめるべき!
その「サービス品質向上」、本当にサービスの品質が向上しているのだろうか。逆に品質低下していないか
 「サービス品質向上」これは販売店でよく掲げられるテーマだ。
 しかし、これに取り組むことで、整備士へ多くのシワ寄せが起こる。ディーラーの主な仕事は、クルマの販売と点検・整備だ。そのうち、8割以上を点検・整備が占める。ほとんどが整備士の仕事だと言っても過言ではない。

 点検・整備には日々入庫してくるユーザーの消耗部品交換や検査だけではなく、営業マンが販売した新車(中古車)への整備やアクセサリーの取り付けなどもある。もちろん、急な故障対応なども日常茶飯事だ。

 「早い・安い」といった、わかりやすい「サービス品質向上」に取り組めば、入庫(整備)台数は増えるだろう。しかし、台当たりの単価は下がり、その分多くのクルマを整備しなければ利益には繋がらない。
 実際の現場の整備士は、無理なスケジュールで作業することになり、品質向上はおろか、不正に手を染める事態となった。

 高い集中力が必要とされる整備士が、今以上に作業ペースを上げることは不可能に近い。削るのであれば、ユーザーへの対応時間だろう。営業マンや受付が、整備士の代わりに御用聞きと説明を行えば、整備作業の効率は上がるはずだ。

 しかし、それでは作業内容の説明が間接的になってしまう。本来ディーラーの売りである、「安心と信頼」が提供できなくなるのだ。

 現状、メーカーや販売店は「安さ」「早さ」に捉われ、現状に目を向けられていないように思える。結果として目が行き届かなかったことが、不正を生む原因となったのだろう。

■現場の歪みは回り回って整備士不足問題の深刻化へ
 整備士は深刻な人手不足に陥っている。筆者も「仕事がキツイわりに給料が安い」「将来性がない」と声を漏らして退職した整備士を数多く見てきた。

 こうした未来を知り、自動車整備士学校の学生数は大きく減少している。15年前は約1万2000人もいた学生が、現在では約6000人と半数になっているのだ。

 さらに、現場で従事する整備士の平均年齢を見てみると、15年前は40歳だったが、現在は45歳を超える。

 一方、クルマの技術はハイテク化が進んで、これまで以上に新しい知識を持った人手が必要となる。つまり、若年層が減少し高齢化することと合わせて、整備士の未来はさらに深刻な人手不足を抱えることになるのだ。

 その整備士が退職する原因の多くは「賃金」「労働時間」「業務量」の3つだ。この問題は数十年解決されていないが、解決するのが難しいことだとは思えない。

 まずは、整備単価に比例して賃金を上げること。

 整備士の数が減っている現代では、その希少性も給与に加味すべきだ。そして、労働時間や業務量を改善するため、整備における薄利多売をやめる。利益が薄い入庫台数を増やしても、整備士の負担になるだけだ。

 同時に、ディーラーの技術力は高めなければならない。技術水準を高め、いい技術には高いお金を払う必要があることを、ユーザーを含めた世の中に知ってもらう必要がある。

 クルマの性能が格段に向上している現代だからこそ、整備士の専門性を高めるべきだ。さらに国が整備の基準、保安基準などの見直しを図ってもいいだろう。整備士の多重業務を少なくする方法は、様々な角度から考えられる。

 兎にも角にも、人手不足を解消しなければならない。今のままでは、新たに不正が起こるのは、時間の問題だ。

■「最上の整備をしてくれる」のが正規ディーラーであるべき
 整備士がイキイキと働いていて、ユーザーともゆっくり対話できるディーラーのほうが信頼できるのではないか
 ディーラーが目指すサービス像は「ホンダのプロの整備士が見るから安心してユーザーにクルマを使ってもらえる」という信頼が売りだったはずだ。ところが、入庫台数の多いディーラー整備士の対応は、整備後の説明で交換部品を読み上げるだけと、非常に素っ気ない。対応からも、その忙しさが伝わってくる。

 ユーザーには「どこの調子が悪くて放っておくとどうなるのか」、それがまったく伝わってこない。これでは安心してクルマを預けることができないし、ユーザーとの信頼関係は構築されないだろう。

 一方、入庫台数が少ないディーラーでは、ユーザー1人ひとりに親身に対応している姿を見かけることが多い。

 こうした店舗の特徴は、営業マンとユーザーだけでなく、整備士とユーザーが楽しげに話す光景が見られるところだ。普段からクルマの状態や、今後のメンテナンスをアドバイスして交流していることがわかる。

 気軽に整備士に質問することができれば、安心してクルマを預けられ、ユーザーの満足度も高まるだろう。こうした、時間に余裕を持ってコミュニケーションを取ることができる環境作りも、不正の再発防止につながると筆者は考える。

 繰り返しになるが、まずは作業間のスケジュールを見直す必要があるだろう。作業時間+ユーザーへの説明の時間を設定し、説明の時間を5分~10分これまでより長くすることが賢明かと思う。

 店舗ごとに保有ユーザー数が大きく違う点も是正できないだろうか。旗艦店にユーザーが集まりがちだが、整備台数の平準化を考え、担当店舗の変更等を、販売店主導で行うのだ。

 ユーザーとコミュニケーションを密にし、丁寧で確実な作業を行うことを説明し、意思疎通する方が満足度向上につながるだろう。

 近年の不正車検の発覚は自動車業界にとって、自らを見つめ直すチャンスだ。だからこそ、ディーラーには顧客満足度を、費用の削減やスピードで高めるのではなく、「整備士の格」と「質の高いサービス」で高めていってほしいと願う。

 不正車検を行ったのは検査員の行動だが、責任はメーカーや販売店にある。整備士に頼り、整備士任せにすることなく、自動車業界全体が問題意識をもって、解決に取り組んでほしい。


#ホンダディーラー不正車検 #ディーラー不正車検は検査員の地位の低さにある


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