伊豆の石切場跡

　私の好きな伊豆半島の地ですが、昔の石 切場の跡が各所に残されています。これら石切場は、切り出し後の運搬という理由もあったのでしょうが、ほとんどが沿岸に近い地に点在しているのです。

　過日、そんな石切場跡の一つを見学する機会があったのですが、大昔から人力により石を切り出した跡が良く判り、昔の人々の生活等も想像させてくれる産業遺産として興味深く感じます。

　これら石切場から産した石は通称「伊豆石」と云われました。類似した石として「大谷石」が有名で、大谷の地を訪ね同地の大規模な石切場を訪ねたこともあります。そんな大谷と比べ伊豆石の石切場のそれぞれは小さな規模ですが、伊豆の各所に点在しています。

余話
　大谷石と伊豆石は素人目にはほとんど類似のものと感じます。建物よりも石塀等に良く利用された石です。表面は比較的柔らかく、年月による風化がし易い石材です。そんなことから、伊豆の地の人は、「オラが死んだら墓石に伊豆石だけは使わんでくれ」という逸話が残されています。