電気自動車の歴史は古く、最初のガソリンエンジン車(1891年)の5年前に登場したと伝わります。最高速性能も、時速100km/hの達成がガソリン車より早かったと伝えられています。しかし、いかにせよ航続距離の短さがネックとなり、クルマは内燃機関に占有されていったのです。
しかし、近年の技術開発により、高密度充電による大容量バッテリーやインバータ制御による可変電圧可変周波数(VVVF)制御や減速時のエネルギー回収システム等のパワーエレクトロニクス技術による高性能化へのポテンシャルを秘めているのが電気自動車なのだと感じます。何れにしても内燃機関以降の本命は燃料電池車なのでしょうが、そのコストとの兼ね合いで、電気自動車にもまだまだ可能性を秘めているのだと感じます。
2004年に慶應義塾大学が中心となって開発されたエリーカ(Eliica)の性能には目を見張るものがあります。その最高速度は370Km/h、加速性能はポルシェ911ターボを超えるものです。そして、航続距離は200Km~320kmと伝えられています。車体は写真の通り8輪を有し、各車輪に100psのインホイールモーターが組み込まれています。従って合計出力は800psという途方もないものですが、これは実験車として最高速度を狙うためのものです。しかし、2~4輪のインホイールモーターの仕様とすれば最高速度は下がるものの、大幅に航続距離も伸びるものと想像されます。車両価格は量産規模によるのでしょうが、内燃機関と比べある程度高額であっても、深夜電力の充電により1kmを1円のコストで走行できると伝わりますから車両価格によってはメリットを出せることとなります。