私の思いと技術的覚え書き

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トラックエンジンのダウンサイジングに思う

2017-02-24 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 今や、ダウンサイジングは乗用車だけではない。トラックやバスでも、ダウンサイジングは大流行だ。昔の、大型トラックやトラクタそして大型バスなどで、300psオーバーのエンジン出力を持ったものでは、自然吸気25LクラスのV8、V10、V12までがあった。しかし、現在は13L+TI(ターボ・インタークーラ-)付きのL6エンジンのみがラインナップされ、大型バスでは9L+TIのものも出だしている。

 2、3トンクラスのトラック用としては、ちょっと以前のターボなし時代は、4~4.5LのL4エンジンが普通だったが、今や3Lとハイエースディーゼルと変わりない排気量のTI付きエンジンへと移行している。(日野除く)

 日野除くとしたが、同社N04CというL4・4L+TI付きエンジンだが、4バルブであるが旧態依然と感じるOHV式である。イスズや三菱ふそう(E/G本体はFIAT製)は、3Lに排気量は縮小され、動弁機構はツインカム化されている(といって高回転まで廻るものではない)。このN04C系は、日野デュトロ、トヨタダイナ、トヨエース、コースター、リエッセⅡなど、多くのクルマに搭載され、MTおよびAT仕様のそれぞれに乗る機会があるが、全力最高速や全開登坂においては、それなりに力感あるが、いわゆるピックアップが悪すぎると常々感じる。つまり、いくら最新型のVG(バリアブルジオメトリー)ターボでも、ターボラグが大きすぎるのだ。MT仕様など、シフトアップでゆっくり操作していると、ラグを感じてしまう程だ。

 それと、どのメーカーのどの車種においても、エンジン性能曲線図とは、過渡的なものでなく定常値を計測しているものであることを忘れてはいけない。つまり、その回転で全負荷として均衡した状態(つまり排気タービンが最高回転近くに達している)での軸トルクと計算馬力の計測という訳だ。また、発進時や極低速で右左折する時など、エンジン回転は一時的に500rpm程度まで低下(当然ターボの非加給域)せざるを得ない場合が多い。こういう状態でも、粘り強く廻って、そこから加速できることが、実用車には求められると思うが、日野の4Lでも困難なものを、イスズやふそうの3Lにこなせるとは思えない。

 おまけに、日野のMTはシフトリンケージの作りが悪く、スムーズなシフト操作を阻害するところも、悪評価となる。そして、これはターボエンジンとしての特性かも知れぬが、排気ブレーキがほとんど効かないという感だ。そういえば、最近のダウンアジング化された大型車系でも、たぶん排気ブレーキだけでは不足するのだろう。リターダー(流体式および電磁式)が装着される例が多い様だ。

※乗用車もだが、排ガス規制達成や燃費基準達成の楕円形ラベルがベタベタと何枚も貼付されるがウザイものと感じる。役人がチェックするためか、メーカーの自己満足か知らないが、ムダは止めてもらいたい。


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