私の思いと技術的覚え書き

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ワイヤリング・ハーネスのこと

2009-01-21 | 車両修理関連

Wiring? ワイヤリング・ハーネスとは、クルマの配線を束ねたものですが、クルマの製造方法が種々の進歩している中で、ワイヤリング・ハーネス自体の製造法は、相変わらず手作り作業が中心で、あまり進歩していない様です。

 しかし、近年クルマのいわゆる電装品というのは非常に増加し、高級車では各制御ECUの合計が100ケを超える様なクルマや、昔ならスターターやワイパー、ヒーター程度にしか使用されなかったモーターの使用ケ所も、パワーウインドウやパワーシート、リモコンミラーからパワーステアリング等々と拡大され続けています。BMW車なんかでは、エンジン本体の可変バルブ開度機構の駆動モーターや、ウォーターポンプまで電動モーター化していますから驚きます。そんな電装品の増加に従って、多重通信等の技術的な改善はあるものの、ワイヤリング・ハーネスの使用量は増加しているのだと思います。

 ハーネスの端末に装着されるコネクターは、種々の形状のものが使用され、場所によっては防水構造とされ、信頼性が高められています。昔は、多数のコネクタで極数を除いて共通形状のものが多用され、間違えて接続してしまう可能性もありましたが、現在はユニット毎に、それぞれ専用の形状として、その様なミスが防止される様になっています。

 一方、大きな事故損傷車になりますと、ワイヤリング・ハーネスに損傷が生じる場合があります。その場合の多くが、末端のコネクタ部分の損傷である訳ですが、多種類の形状があることから、部品補給は可能にも関わらず、高価なワイヤリング・ハーネスが交換されてしまう場合があります。最近のクルマでは、配線間のコネクタ数を減らすことにより、信頼性を向上させていますから、メインワイヤー・ハーネスともなりますと、非常に広範囲に配線されている大規模なもので、その部品価格も驚く程に高価なものです。ですから、ボデー前部の方のユニット部品のたった1ケ所のコネクタ破損で、ハーネス交換等と云うのは、あまりにももったいない話だと感じられます。

追記

 通常のコネクタに使用される各端子の材質は黄銅製で、腐蝕防止のために表面に錫メッキが施されています。ところで、信頼性が特に求められる端子としてエアバック関係等には、錫の代わりに純金メッキが使用され、接触不良が極力防がれています。この純金ですが、抵抗値そのものは銅より若干大きいとのことですが、耐腐食性が抜群に良好であることから使用されているものです。なお、エアバック関係のコネクタは、輸入車を含め黄色で統一されています。また、最近のハイブリッド車等、高電圧系のコネクタとハーネスを被覆する蛇腹チューブはオレンジ色に統一されている様です。




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