私の思いと技術的覚え書き

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レストアして乗りたいクルマ(その4:ドイツ車編)

2009-03-16 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険

 我が国にでも、人気あるプレミアムブランド車を多く作り続けているドイツ車ですが、その中でもやっぱりポルシェというメーカー、そして911というブランドには思いを強く持ちます。

 この911というクルマは、1963年から現在まで既に46年も経ているのですが、独特のデザインモチーフとRR(リヤエンジン・リヤドライブ)レイアウトを保ちつつ、生産され続けているのです。もちろん、エンジンも当初の空冷2リッターから最新型では水冷3.8リッターにまで拡大されつつ高出力化と、ボデーサイズも幅広タイヤとワイドトレッド化で、主に全幅が拡大されてきました。

 さて、本論ですが、直して乗りたい91911narrow 1としては、初期型の2リッターもしくは2.2リッターモデルとなります。これらモデルは、幅広タイヤとワイドトレッド化以前のクルマであることから通称「ナロー」と呼ばれています。

 このナローですが、グレードとしては、T、L(E)、Sと3つがあります。エンジン出力は、このグレード順に高くなり、Sのエンジンが一番高いチューンですからSに魅力を感じます。しかし、実際ナロー自体の入手可能な個体数が少ないと想像されますから、S以外でもLもしくはEでも良いかなと思います。

 911はナロー以降も、空冷エンジンに限っても930型、964型、993型までがありますが、930型とか964型の方が入手可能な個体数も多く、低価格な出物もあるのかもしれません。また、ポルシェは高価なプレミアムブランドらしく、防錆性能を高めた亜鉛メッキ鋼板用が、930型(1974年)以降で採用されています。ですから、レストアする場合にも930型以降の方が、ボデーの腐蝕に関わる修理は少なくて済む可能性が高いのですが、私はあえてナローに魅力を感じてしまうのです。

 ナローの初期型は全車キャブレター仕様でしたが数年を経て、まずSが、それから暫くしてL改めEに機械式インジェクションが装着されエンジン出力が向上しています。この機械式インジェクションですが、耐久性等でそれ程のウィークポイントはなさそうな様です。しかし、電子制御インジェクションの出始めの頃の悪癖のこと、つまり噴射制御の未熟さに故に生じる低中速域(パーシャルスロットル)でのドライバビリティの不良さを知っている者にとって機械式の極単純な構造は、それ以上に悪癖を感じそうです。そんな意味では、ソレックスもしくはウェーバーのキャブレター仕様の方が、絶対馬力は低くとも安心できそうに思いますし、これらキャブであれば現在でもパーツは入手可能ですしオーバーホールも造作なくできる自信があります。

 この機械式インジェクションは、ディーゼルエンジンに使用されのと同様な列型のシリンダー数分のプランジャーをカムで上下させて燃料を圧送噴射するものです。噴射量は、スロットル開度と回転数だけのパラメータで決まるという極めて単純なものです。後年、同じ機械式でもナロー以降の911やその他多くの欧州車で使用されるKジェトロニックと呼ばれる方式とは、全然制御の精度が異なります。Kジェトロでは、機械式ですが吸入空気量に応じて噴射量を制御していますから、空燃費制御が優れているのです。

 次点のレストアして乗りたいドイツ車ですが、旧東ドイツTrabant 製のトラバント(愛称トラビ)なんかも、直して乗ったら面白そうだと思います。

 それと、予算に関係なければ、まだまだ魅力あるクルマが多いドイツ車ですが、現実論としては、新しめのクルマですが、ベンツの190E(201型)もしくは300E(124型)について、特にツインカム仕様でなくノーマルエンジン仕様でも十分に魅力あるものと感じます。

 

追記

 ポルシェ911というクルマですが、最初の登場時は901という名称で販売する予定だった様です。しかし、間に0の入った3桁のブランド名は、プジョー社が商標権を持っていてまずいということになり、911というブランド名となった様です。もし、901で販売し始めていたら、モデルチェンジ毎に、902、903と名称を変更していたのかもしれない等と思ってしまいます。


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