今朝今し方読むNet報道(下記)で、最大の影響を受けるのは日本と記してあるのを一瞥してみた。この中で気になる「日本が最も厳しい状況に?」という副題について、「中国以外で最も感染者が多い日本(クルーズ船旅客などを含む)かもしれない。」という極めてあいまいな記述だ。それをわざわざ副題に沿えて編集したのは、恣意的に危機感を煽る翻訳編集者の忖度を感じざるを得ない。
しかし、世界的に極めて大規模に不況になるのは間違いないところであろう。その中で、我が国は無能な政府の意向で、昨年10月の消費税アップによる落ち込みが出始めていたところに、今回のショックだから極めて厳しいのは間違いないところだ。小中高の当面の休校推奨(と云ってもほとんど従うしかないだろう)により、今や多くの共働き夫婦が多い訳だからして、妻の勤続を休まざるを得ない場合が多かろう。その場合も含め、多くの派遣労働者やバイト勤務者の収入は途絶えるだろう。この生計費の不足を政府は補えることができるのだろうか・・・。
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世界経済を狂わせる新型コロナウイルスの脅威──最大の影響を受けるのは日本
FEARS OF A GLOBAL RECESSION
2020年2月28日(金)17時15分
キース・ジョンソン
新型コロナウイルスの経済への影響が、世界中でさらに顕著になっている。アップルはサプライチェーンの混乱を理由に、1~3月期の売上高予測を達成できない見通しを発表。アジア各国政府も成長見通しを下方修正し、ドイツでは製造業の大幅な減速が懸念されている。
この原稿の執筆時点で、新型コロナウイルスの感染者は世界で7万6000人以上、死者は2200人を超えた。景気回復の光もちらついていた日本やドイツなどにとっては、とりわけ最悪のタイミングだ。
感染拡大の影響は特に自動車産業に顕著に見られ、これが中国国内だけでなく日本や韓国、ドイツに波及。さらにはアメリカにまで達している可能性もある。
中国側は感染者の増加率は鈍化していると言うが、春節(旧正月)後の企業活動の再開が遅れていることで経済は大きな打撃を受けている。自動車など一部の部門は、工場作業員の欠勤やサプライチェーンの停滞、代理店の閉鎖などが原因で、今も開店休業状態だ。
小売りや観光、建設をはじめとするその他の部門も大打撃を受けている。移動制限や感染の不安から、人々がいつもの活動を控えているためだ。エネルギーコンサルティング会社のウッド・マッケンジーは投資家向けのリポートに「2月の中国経済は『利益なし』の状態になる可能性が次第に高まっているようにみられる」と書いた。
日本が最も厳しい状況に?
中国経済の成長率についての予測では、第1四半期には大きく落ち込むものの、政府の景気刺激策によって年内には回復するという見方が当初は多かった。
だが、それも今は変わりつつある。バンク・オブ・アメリカの調査によれば、各国の機関投資家は中国のGDP成長率が今後3年間、5%強にとどまると予想している。既に減速傾向にあった昨年の6.1%を下回り、10年足らず前の2桁成長には遠く及ばない水準だ。
ウッド・マッケンジーの指摘によれば、中国政府は融資拡大や金利引き下げの努力をしているが、それでも景気回復は難しい。各企業は休業中も従業員に給与を支払うことになっているが、収益が圧迫されれば、それも難しくなってくる。そうなれば消費者の可処分所得は減り、消費財の「内需停滞」であるはずの現状が「恒久的な需要の崩壊」になる可能性があると、ウッド・マッケンジーは分析している。
新型コロナウイルスの経済的影響は中国だけでなく、周辺のアジア諸国でも顕著になりつつある。韓国では2月18日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が経済緊急事態を宣言。新型ウイルスが韓国経済に及ぼす被害を食い止めるために、断固たる措置を呼び掛けた。
シンガポールは今年の成長見通しを下方修正し、経済活動が失われた分を数十億ドル規模の景気刺激策で埋め合わせる計画だ。タイも同様に成長見通しを引き下げ、マレーシアもダメージを食い止めるために景気刺激策の導入を検討している。
しかし最大の難関に直面しているのは、中国以外で最も感染者が多い日本(クルーズ船旅客などを含む)かもしれない。日本では2019年第4四半期の経済成長率が約6年ぶりに大幅に縮小。トヨタや日産などの自動車メーカーは中国と国内の工場で生産に影響が出ている。中国からの観光客も大幅に減っている。
景気後退に陥るリスクが高まるなか、日本政府は昨年末に大規模な経済対策を策定した。全面的な危機を回避するには、さらに政府支出を増やして景気を刺激する必要があるかもしれない。
米欧貿易摩擦が激化する恐れ
新型コロナウイルスは、中国からさらに離れた場所にも被害をもたらしている。中国と欧州を結ぶ巨大な広域経済圏構想「一帯一路」関連のプロジェクトに東南アジア周辺で取り組んでいる中国企業は、サプライチェーンや従業員不足の影響で、今後確実にプロジェクトの遅延やコスト高騰に悩まされる。中国の最大の貿易パートナーであるブラジルでは、感染拡大の影響で年内に経済成長が減速に向かうと予想されている。
さらに中国経済の低迷は、中国への農産品やエネルギー、各種製品の輸出を大幅に増やそうとしているアメリカの足も引っ張る可能性が高い。そうなれば、経済的に逼迫しているアメリカの農業地帯や工業地帯の回復が遅れることになりかねない。
ヨーロッパも懸念を強めている。既にフォルクスワーゲンなどの自動車メーカーでは、中国国内にある工場の生産に影響が出ており、サプライチェーンの一層の混乱がヨーロッパ域内の工場にも影響を及ぼすのではないかと懸念されている。
ドイツの投資家は最悪の事態を恐れている。昨年のドイツ経済は重要な自動車部門の見通しが暗かったため、製造部門全体に勢いがなかった。ドイツの欧州経済研究センターが18日に発表した2月の景気期待指数は、投資家心理の冷え込みを反映。投資家は新型コロナウイルスの感染拡大が世界貿易に大きな悪影響をもたらし、輸出主導のドイツ経済の回復を頓挫させると懸念している。
これを受けてユーロは一時的に、対ドルでほぼ3年ぶりの安値に下落。ドナルド・トランプ米大統領は、価値の下落した外貨からの不公平な競争に強硬姿勢を取り続けている。アメリカとヨーロッパの貿易摩擦が、新型コロナウイルス禍によってさらに激化する恐れも出てきた。From Foreign Policy Magazine
<本誌2020年3月3日号掲載>
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しかし、世界的に極めて大規模に不況になるのは間違いないところであろう。その中で、我が国は無能な政府の意向で、昨年10月の消費税アップによる落ち込みが出始めていたところに、今回のショックだから極めて厳しいのは間違いないところだ。小中高の当面の休校推奨(と云ってもほとんど従うしかないだろう)により、今や多くの共働き夫婦が多い訳だからして、妻の勤続を休まざるを得ない場合が多かろう。その場合も含め、多くの派遣労働者やバイト勤務者の収入は途絶えるだろう。この生計費の不足を政府は補えることができるのだろうか・・・。
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世界経済を狂わせる新型コロナウイルスの脅威──最大の影響を受けるのは日本
FEARS OF A GLOBAL RECESSION
2020年2月28日(金)17時15分
キース・ジョンソン
新型コロナウイルスの経済への影響が、世界中でさらに顕著になっている。アップルはサプライチェーンの混乱を理由に、1~3月期の売上高予測を達成できない見通しを発表。アジア各国政府も成長見通しを下方修正し、ドイツでは製造業の大幅な減速が懸念されている。
この原稿の執筆時点で、新型コロナウイルスの感染者は世界で7万6000人以上、死者は2200人を超えた。景気回復の光もちらついていた日本やドイツなどにとっては、とりわけ最悪のタイミングだ。
感染拡大の影響は特に自動車産業に顕著に見られ、これが中国国内だけでなく日本や韓国、ドイツに波及。さらにはアメリカにまで達している可能性もある。
中国側は感染者の増加率は鈍化していると言うが、春節(旧正月)後の企業活動の再開が遅れていることで経済は大きな打撃を受けている。自動車など一部の部門は、工場作業員の欠勤やサプライチェーンの停滞、代理店の閉鎖などが原因で、今も開店休業状態だ。
小売りや観光、建設をはじめとするその他の部門も大打撃を受けている。移動制限や感染の不安から、人々がいつもの活動を控えているためだ。エネルギーコンサルティング会社のウッド・マッケンジーは投資家向けのリポートに「2月の中国経済は『利益なし』の状態になる可能性が次第に高まっているようにみられる」と書いた。
日本が最も厳しい状況に?
中国経済の成長率についての予測では、第1四半期には大きく落ち込むものの、政府の景気刺激策によって年内には回復するという見方が当初は多かった。
だが、それも今は変わりつつある。バンク・オブ・アメリカの調査によれば、各国の機関投資家は中国のGDP成長率が今後3年間、5%強にとどまると予想している。既に減速傾向にあった昨年の6.1%を下回り、10年足らず前の2桁成長には遠く及ばない水準だ。
ウッド・マッケンジーの指摘によれば、中国政府は融資拡大や金利引き下げの努力をしているが、それでも景気回復は難しい。各企業は休業中も従業員に給与を支払うことになっているが、収益が圧迫されれば、それも難しくなってくる。そうなれば消費者の可処分所得は減り、消費財の「内需停滞」であるはずの現状が「恒久的な需要の崩壊」になる可能性があると、ウッド・マッケンジーは分析している。
新型コロナウイルスの経済的影響は中国だけでなく、周辺のアジア諸国でも顕著になりつつある。韓国では2月18日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が経済緊急事態を宣言。新型ウイルスが韓国経済に及ぼす被害を食い止めるために、断固たる措置を呼び掛けた。
シンガポールは今年の成長見通しを下方修正し、経済活動が失われた分を数十億ドル規模の景気刺激策で埋め合わせる計画だ。タイも同様に成長見通しを引き下げ、マレーシアもダメージを食い止めるために景気刺激策の導入を検討している。
しかし最大の難関に直面しているのは、中国以外で最も感染者が多い日本(クルーズ船旅客などを含む)かもしれない。日本では2019年第4四半期の経済成長率が約6年ぶりに大幅に縮小。トヨタや日産などの自動車メーカーは中国と国内の工場で生産に影響が出ている。中国からの観光客も大幅に減っている。
景気後退に陥るリスクが高まるなか、日本政府は昨年末に大規模な経済対策を策定した。全面的な危機を回避するには、さらに政府支出を増やして景気を刺激する必要があるかもしれない。
米欧貿易摩擦が激化する恐れ
新型コロナウイルスは、中国からさらに離れた場所にも被害をもたらしている。中国と欧州を結ぶ巨大な広域経済圏構想「一帯一路」関連のプロジェクトに東南アジア周辺で取り組んでいる中国企業は、サプライチェーンや従業員不足の影響で、今後確実にプロジェクトの遅延やコスト高騰に悩まされる。中国の最大の貿易パートナーであるブラジルでは、感染拡大の影響で年内に経済成長が減速に向かうと予想されている。
さらに中国経済の低迷は、中国への農産品やエネルギー、各種製品の輸出を大幅に増やそうとしているアメリカの足も引っ張る可能性が高い。そうなれば、経済的に逼迫しているアメリカの農業地帯や工業地帯の回復が遅れることになりかねない。
ヨーロッパも懸念を強めている。既にフォルクスワーゲンなどの自動車メーカーでは、中国国内にある工場の生産に影響が出ており、サプライチェーンの一層の混乱がヨーロッパ域内の工場にも影響を及ぼすのではないかと懸念されている。
ドイツの投資家は最悪の事態を恐れている。昨年のドイツ経済は重要な自動車部門の見通しが暗かったため、製造部門全体に勢いがなかった。ドイツの欧州経済研究センターが18日に発表した2月の景気期待指数は、投資家心理の冷え込みを反映。投資家は新型コロナウイルスの感染拡大が世界貿易に大きな悪影響をもたらし、輸出主導のドイツ経済の回復を頓挫させると懸念している。
これを受けてユーロは一時的に、対ドルでほぼ3年ぶりの安値に下落。ドナルド・トランプ米大統領は、価値の下落した外貨からの不公平な競争に強硬姿勢を取り続けている。アメリカとヨーロッパの貿易摩擦が、新型コロナウイルス禍によってさらに激化する恐れも出てきた。From Foreign Policy Magazine
<本誌2020年3月3日号掲載>
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