私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

家では認められないという話の本質

2016-02-05 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 知り合いの板金工場さんから、保険会社が認めてくれないんだと愚痴を聞くことがあります。保険の自由化が図られ護送船団的経営が解消されて久しい(実際のところ今でもその体質は根強く残存している様に感じるところもありますが)訳で、個別保険会社毎に独自の特約等が増やされています。この様な中、保険の損害査定の環境にあって、担当調査員(アジャスター等と呼ばれる)が、何かにつけて「家(その保険会社)ではそれは認められない」と宣(のたま)う者がいることは、前々から時々聞き及んでいます。しかし、内容を聞いてみると「本当かいな?」という疑問を感じることも多くあるものです。

 確かに、車両保険を中心とした特約等では、レッカー費や代車等の特約で、各社個別の認定基準を持つものがありますが、この様なものは車両保険の極一部のものです。そもそも、対物賠償保険については、民法709条※の損害賠償で規定される法令を基にした「法律上の賠償責任を生じるもの」との基準で支払われるはずです。なお、民法規定で云う故意の事故は、賠償責任保険としては公序良俗に反するものとして免責(支払い対象外)となります。

※民法709条
 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

 果たして、「家では認められない」と云う者が、何処まで理解した上で、その様な言い分を述べているのか良く判りません。もしかすると本社や上司から、その様に抗弁すれば良いんだと言われ、簡単に考えているのかもしれません。だとすれば、なんとも安易で不親切な説明であるとしか思えません。

 確かに、損害保険の損害査定においては、請求者と支払者の間においては、何かに付け乖離が生じ易く、「認めろ」、「認めない」と意見の対立が起こりがちです。しかし、認められない損害について、なるべく根源的な事由を添え、社会一般が納得できる内容を持って認められないことを説明する必用がある様に感じられます。それでも、不認された請求者側には不満は残るでしょうが、会社が認めないという安易な言葉より幾らかは納得してくれる余地がある様にも思うのです。

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