世界中のスポーツカーメーカーの開発テストで使用されている、ニュルブルクリンク(Nurburgring)はドイツにあるサーキットです。(通称ニュル)元々の北コース(20.8km)と新設の南コース(5.1km)の2つがあるそうです。北コースは、各種グランプリに使用されてきましたが、1976年のドイツF1グランプリでニキラウダが炎に包まれ重傷を負った大事故以来、その危険性が指摘されF1グランプリは新設の南コースを利用する様になって来た様です。やはり、20キロにもおよぶ長大なサーキットでは、緊急時の救護体制の問題等で難しいのでしょう。
先にも述べた様に北コースは、コース長が20.8kmと長く、その高低差は300m、コーナー総数172カ所にもおよび、一般的なサーキットに比べコース幅が狭く路面は波打ち蛇行し埃っぽく滑るといいます。それでいて、コース全体の平均速度は高く(ラップタイム8分フラットとして平均速160km/h)、世界一過酷なコースと云われます。ニッサンGTRの記事にも記されていましたが、場所によっては1輪当たりの突き上げ過重が5トンを超える場合もあるそうです。ですから、ここでのラップライムは、高性能なクルマでの総合性能を示す指標となるのだと思います。従って、世界中のスポーツカーメーカーが、ここでのラップタイムの短縮にしのぎを削るのです。
先頃発売のニッサンGTRやポルシェGT2のタイムは7分30秒台程度の様ですが、量産市販車しては世界最速に近いものだと思います。なお、市販車最速としてはラディカルSR8という英国の少量生産車(ほとんどレーシングカーに近いもの)で、6分56秒というものだそうです。ちなみにコースレコードは、1983年にワークスポルシェ956で記録された6分11秒だと云います。
北コースは法的には一般有料道路の位置付けであり、貸切日以外は料金を払えば、誰でもサーキット走行が可能だといいます。但し、北コース内での事故では、自動車保険が適用されないとのことです。私的には、それなりの高性能なクルマで一度走って見たいと思いますが、私の未熟な運転技術と度胸のなさでは、10分も切れないのかもしれません。