今回は純技術系の情報として記してみます。(興味のない方は読み飛ばして下さい。)
本日、ある塗料メーカー(国産塗料メーカー)の方からのお話を聞いて、私が新たに知ったことを記してみます。既知の方は読み飛ばして下さい。なお、ここで記す「塗料」とは、あくまでも塗装作業を施工後の「塗膜」のことではなく、塗装作業を行う前の液体である「塗料」のことです。
現在の自動車補修塗装用の塗料は、ウレタン塗料(通称名は2液型等と呼ばれます。)と云って塗料と硬化剤を一定量混合(塗料によりその混合比は10:1~2:1程度までと異なります。)し、化学反応により硬化(ウレタン重合反応)させるものが一般的となっています。このウレタン塗料による塗膜は、新車ラインにおいて使用される熱硬化型塗料(通常180℃程度まで加熱させ熱硬化させる塗料)の塗膜に匹敵する塗膜性能(表面硬度や耐候性)を持っています。特に、塗料と硬化剤の混合比が2:1のもの等は、たぶん新車ラインの熱硬化型塗料を完全に上回る性能を持っていると思います。
ところで、ウレタン塗料では、塗料に硬化剤を混合すると直ちにウレタン重合反応が開始され、液体の塗料として塗装作業に使用できる時間の制限が生じます。このことをポットライフ(可使時間)と云うのですが、20℃で10時間、30℃で6時間程度とのことです。ここまでの話は、私も知っていましたし、塗装作業の実務者であれば既知の話であろうと思います。なお、素人の方向きに若干補足しておきますが、実際の塗装作業の現場では、塗装作業後の加熱(60℃程度)により、30~40分程度で塗膜を硬化させます。
さて、今回の本論ですが、塗料にも寿命がある(鮮度が命)と云う話のことを記します。 今回お話しを聞いたメーカー技術者の方によれば、塗料メーカーとして性能保証できるのは20℃を前提として、塗料の製造後約半年であるというものです。従って、製造から1年も経過した塗料では、その塗膜性能はメーカーでの設計値を大幅に下回ったものとなるとのことです。また、今夏の様な暑い期間のおいては、特に塗料の劣化は急速に進むということです。なお、塗料の顔料として、淡色系のものほど劣化が早く、濃色のものの方が劣化は遅い傾向があるとのこともお聞きしました。
以上の内容なのですが、塗装工場の方は塗料の原色セットを揃えておられる訳ですが、色によっては使用頻度が少なく、かなり長期間保存してしまう場合もあるのかもしれません。大変ですがご注意すべき事項であると思います。
追記
今回塗料メーカーの方とお話しをする端緒となったのは、当方からの質問として「ミキシングマシーン」(自動攪拌機)は、どの程度の頻度で動かせば良いのか?と云う質問をメーカーのWebサイトの「お問い合わせ」に記入送信したのが端緒でした。これについては、程なくして同メーカーの方からお電話を頂戴し、ミキシングマシーンは調色作業の前に5~10分程度動かせば十分というものでした。ミキシングマシーンを多頻度かつ長時間動かすのは、塗料中の溶剤を飛ばす結果となり、塗料の寿命を縮めることとなるとの丁寧なご説明を受けると同時に、上記の内容も合わせて伺うことが出来ました。
本日、ある塗料メーカー(国産塗料メーカー)の方からのお話を聞いて、私が新たに知ったことを記してみます。既知の方は読み飛ばして下さい。なお、ここで記す「塗料」とは、あくまでも塗装作業を施工後の「塗膜」のことではなく、塗装作業を行う前の液体である「塗料」のことです。
現在の自動車補修塗装用の塗料は、ウレタン塗料(通称名は2液型等と呼ばれます。)と云って塗料と硬化剤を一定量混合(塗料によりその混合比は10:1~2:1程度までと異なります。)し、化学反応により硬化(ウレタン重合反応)させるものが一般的となっています。このウレタン塗料による塗膜は、新車ラインにおいて使用される熱硬化型塗料(通常180℃程度まで加熱させ熱硬化させる塗料)の塗膜に匹敵する塗膜性能(表面硬度や耐候性)を持っています。特に、塗料と硬化剤の混合比が2:1のもの等は、たぶん新車ラインの熱硬化型塗料を完全に上回る性能を持っていると思います。
ところで、ウレタン塗料では、塗料に硬化剤を混合すると直ちにウレタン重合反応が開始され、液体の塗料として塗装作業に使用できる時間の制限が生じます。このことをポットライフ(可使時間)と云うのですが、20℃で10時間、30℃で6時間程度とのことです。ここまでの話は、私も知っていましたし、塗装作業の実務者であれば既知の話であろうと思います。なお、素人の方向きに若干補足しておきますが、実際の塗装作業の現場では、塗装作業後の加熱(60℃程度)により、30~40分程度で塗膜を硬化させます。
さて、今回の本論ですが、塗料にも寿命がある(鮮度が命)と云う話のことを記します。 今回お話しを聞いたメーカー技術者の方によれば、塗料メーカーとして性能保証できるのは20℃を前提として、塗料の製造後約半年であるというものです。従って、製造から1年も経過した塗料では、その塗膜性能はメーカーでの設計値を大幅に下回ったものとなるとのことです。また、今夏の様な暑い期間のおいては、特に塗料の劣化は急速に進むということです。なお、塗料の顔料として、淡色系のものほど劣化が早く、濃色のものの方が劣化は遅い傾向があるとのこともお聞きしました。
以上の内容なのですが、塗装工場の方は塗料の原色セットを揃えておられる訳ですが、色によっては使用頻度が少なく、かなり長期間保存してしまう場合もあるのかもしれません。大変ですがご注意すべき事項であると思います。
追記
今回塗料メーカーの方とお話しをする端緒となったのは、当方からの質問として「ミキシングマシーン」(自動攪拌機)は、どの程度の頻度で動かせば良いのか?と云う質問をメーカーのWebサイトの「お問い合わせ」に記入送信したのが端緒でした。これについては、程なくして同メーカーの方からお電話を頂戴し、ミキシングマシーンは調色作業の前に5~10分程度動かせば十分というものでした。ミキシングマシーンを多頻度かつ長時間動かすのは、塗料中の溶剤を飛ばす結果となり、塗料の寿命を縮めることとなるとの丁寧なご説明を受けると同時に、上記の内容も合わせて伺うことが出来ました。