時々、欧州に旅した方の話を聞くと、欧州では数百年も経過した様なアパートメントに庶民が暮らし、その町並みも、中世以降とほとんど変わりない様な、古き良き佇まいであったと感想を聞くことがあります。それに比べ、我が国では35年ローンで新築しても、木造家屋の寿命そのものがそこまで至らず、余程贅沢な木材を使用した豪壮な建築以外で古い家屋が残っている場合も少ないものです。?
ですから、町並みを俯瞰しても、欧州の様に古い町並みがそのまま残っているということは少なく、雑然とした町並みになりがちなのだろうと思います。これは、欧州は地震が少なく、家屋が木製でなく石造りである点にも、大きな理由があるのだろうと思います。
そんな我が国ですが、決して整然としておらず、雑然とした町並みの故に、その良さがあるのだという考え方もあります。古いものを惜しげもなく取り壊し、刷新して行くという、ダイナニズムに我が国なりの良さがあるのだろうと思います。
そう思いながらも、古い建物と周辺の環境が織りなす佇まいに、心安らぐ思いを感じるのものです。これは、それだけ周辺にその様な佇まいが少ないからこそ、感じられることでもあろうと思います。
私は旧車を愛していますが、まったく同様で、その様なクルマが少なく、時々しか目にすることがないからこそ、良いスタイルだなと感じるものであって、こんな旧車が普及したとしたら、そんな思いは消し飛んでしまうでしょう。