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陸自・富士学校記念日見学記(07/07) その3

2019-07-09 | 沼津そして伊豆周辺
 富士学校見学の第3回目として、主に最新式戦車たる10("ひとまる"と呼称)式を外観だけであるが、ある程度観察できたので紹介してみたい。

 なお、観察した該当10式は、銘板から製造番号001と量産試作車に類するもので、実配備車両とは、幾らか違う部分もあることを承知で見て戴ければと思う。

 従前、その2でも記しているが、主砲は120mmのライフリングのないスムーズボアの滑腔砲(かっこうほう)を採用している。90式までは独ラインメタル製だった様だが、10式からは日本製鋼のライセンス生産品を使用している様だ。なお、120mm口径も同じで、90式とは砲弾の互換性を持つということだ。なお、従前も記した通り、ソ連の脅威が薄れ、北海道以外の全国展開を可能とするべく、90で大型。・大重量化(およそ50t)したものを、より小型・軽量(40余t)としているが、最高速(70km/h以上)や加速性能など、まったく遜色ない動力性能を確保しているそうだ。

 砲塔部周辺は、グリッド状に、小さいパネルで仕切られた外観を持つが、基本の砲塔部本体上に、ボルト締結で複合装甲(その内容は非公開)を外側に装着している様で、戦局により走行の種別もある様だ。近年は、戦車対戦車の戦闘だけでなく、市街地掃討作戦などにおいて、歩兵が持つRPGなどの携帯用対戦車ロケット砲に対する脅威にも対応しているのだろう。

 90式以降で採用された主砲の自動装填装置を持ち、乗員は3名態勢だ。同じく90式以降で採用された、照準自動追尾装置が付いているが、さらに高精度なものにバージョンアップしているのだろう。なお、照準の光学系は三菱系列のニコンのものだろうし、今やデジカメで当然の如く付属する手ぶれ防止装置の拡大応用版としての、自動追尾装置であろう。また、ネットワーク機能もバージョンアップしており、司令部からの協調作戦命令や、偵察ヘリコプターからの敵位置情報などが、モニターに表示されるのだろうと想像する。

 この10式は前面にスノウプラウ(排土板)が付けられているが、それ以外の本体は共通出あろう。また、履帯(キャタピラ)はゴムパット付きの舗装路を痛めないものだが、通常戦闘では、オール金属製のものを使用するのだろう。

 なお、これは、資料館に提示されていた砲弾だが、滑腔砲用の徹甲弾である。この徹甲弾以外に、榴弾があり、より広い範囲で、強い貫通力を要しない場合に選択する。徹甲弾は、弾心は、30~40mm程度と細径で、比重の高いタングステンを使用している様だ。(米国は劣化ウラン弾)なお、装弾時には、この弾体の後部に炸薬を詰めた薬莢が付き、強力な爆発力で弾体を高速で射出する。射出して砲身から出ると、砲身との気密を保っていた部分は、分割して脱落し、細い弾体のみが飛翔する。この砲弾は、ダイキン工業が作っている様だ。








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